社会 第7章
近代(開国〜戦前)
要点編
【既習/完成/最低25問】近代日本の成立と戦争。
① この章のねらい
1853年のペリー来航から明治維新、立憲国家の成立、日清・日露戦争、第一次世界大戦、満州事変までを学びます。対外圧力への対応が国内改革や戦争へどうつながったかを、年表・統計・条約表から読み、40〜80字で説明します。
- 開国から立憲国家成立までを因果で説明できる
- 戦争・講和条約・獲得権益を対応させられる
- 統計の増減を歴史的背景と結べる
- ⑦の同一資料で読取→計算→因果記述へ進める
② 図と説明
下の図を順に見てください。各図の下に、その図の読み方を書いてあります。
図 1. 近現代の年表(開国〜戦前)
対外圧力→国内改革→戦争の大枠で順序を確定します。語呂は同じ章の授業文で回します。
- 1853年ペリー来航(いやでござんす(1853)ペリーさん)
- 1854年日米和親条約
- 1858年日米修好通商条約(一縛り(1858)通商条約)
- 1867年大政奉還(一夜むなしく(1867)大政奉還)
- 1868年明治維新・王政復古(ひとつやろうや(1868)明治維新)
- 1871年廃藩置県(一つの藩もない(1871)廃藩置県)
- 1872年学制/鉄道(新橋〜横浜)
- 1873年徴兵令・地租改正
- 1877年西南戦争
- 1885年内閣制度
- 1889年大日本帝国憲法発布(いち早く(1889)やろう憲法)
- 1890年教育勅語/第一回帝国議会
時間の流れ(古い → 新しい)
開国は条約の違いまで順序で押さえます
1853年のペリー来航、1854年の日米和親条約、1858年の日米修好通商条約の順です。和親条約は下田・函館を開き、通商条約は領事裁判権を認め関税自主権を欠く不平等条約でした。入試では「開港」と「通商・治外法権」の段階を分け、1858年条約が不平等性の核心であることを記述で示します。
図 2. 近現代の年表

開国→近代→戦争。 図では、矢印・色分け・凡例を順に確認し、本文の用語と対応させて読みます。
明治維新は中央集権と近代化の組合せです
版籍奉還から1871年の廃藩置県へ進み、政府は地方支配を中央へ集めました。徴兵令・地租改正・学制・殖産興業を実施し、欧米列強に対抗できる国力と軍事力を整えました。国内改革は「支配の一元化」と「近代国家の基盤づくり」の二層で読み、政策名だけでなく目的と結果を40字で結びます。
図 3. 二つの憲法への道

主権・人権・軍隊の違いの前史。 図では、矢印・色分け・凡例を順に確認し、本文の用語と対応させて読みます。
自由民権運動から立憲国家への道を読みます
政府中心の改革に対して板垣退助らが国会開設を求め、1881年の国会開設の勅諭、1889年の大日本帝国憲法発布、1890年の帝国議会開設へ進みました。要求と政府対応を因果で捉えます。立憲君主制は天皇と国会の関係が問われやすいので、権力の所在が旧体制と新体制でどう変わったかまで一言添えます。
③ 続きの説明
4. 日清・日露は講和条約と権益を分けます
日清戦争は1895年の下関条約で台湾などを得ました。日露戦争は1905年のポーツマス条約で韓国における優越権や南樺太などを得ましたが賠償金がなく、日比谷焼打ち事件につながりました。同一表では戦争名・年・条約・獲得権益を横一列で読み、日清と日露を同じ比較軸で整理しないと選択肢で混同します。
5. 条約改正は二段階で達成されます
陸奥宗光が1894年に領事裁判権の撤廃を実現し、小村寿太郎が1911年に関税自主権を回復しました。開国時に失った二つの権利へ戻って対応させると、人物と年号が流れになります。記述では「不平等条約の修正」という共通目的と、1894年と1911年で回復した権利の違いを40〜60字で書き分けます。
6. 大戦景気から社会運動・軍部台頭へつなぎます
第一次世界大戦中は欧州からの輸入が減り日本の輸出が増えて好況となりましたが、物価上昇は米騒動を招きました。1925年の普通選挙法と治安維持法、1931年の満州事変を民主化と抑圧の両面で読みます。統計の増減だけでなく、戦争が世界経済と国内社会にどう波及したかを因果で説明できるようにします。
受験で押さえる(この章)
年号語呂は「音↔桁」の対応を指差し確認してから、因果を一文添える。用語は対比で切る。
覚え方年表の覚え方(語呂は「音↔年号」の対応表)
語呂を唱えるだけでは足りない。どの音がどの桁かを指差し確認してから、因果を一文添える。並べ替えは年号大会にせず、まず因果で順序を決める。
戦い方社会の戦い方(この章でも同じ)
資料はリード文→注→表題→単位→極端値。記述は「資料のどこ+因果」。
- 手順資料問題はリード文→注→表題→単位→極端な値の順。知識だけで先に答えない
- 手順並べ替えは年号暗記大会にせず、因果(改革→制度→遷都など)で確定
- 手順公民は用語定義で確実に得点。曖昧なら対義語・対比で切る
- 手順記述は「資料のどこ+因果」を40〜80字。知識だけの作文にしない
- 手順毎日15分:学習中の単元の「受験で押さえる」を音読+書き
- 手順毎日30〜50分:弱点単元の⑤⑥または⑦を1セット
- 手順近い用語・近い年代・近い数値の取り違え
- 手順問題文の一部だけ合っていて結論がずれる選択肢
⑤ 公式・用語
| 名称 | 内容 | メモ |
|---|---|---|
| 近代の流れ | 開国→中央集権・近代化→立憲国家→対外戦争→大衆社会→軍部台頭 | — |
用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 日米修好通商条約 | 1858年に結ばれ、領事裁判権を認め関税自主権を欠いた不平等条約 |
| 廃藩置県 | 1871年に藩を廃して府県を置き、政府が地方官を任命して中央集権を進めた改革 |
| 地租改正 | 地価を基準に土地所有者が現金で税を納め、政府収入を安定させた制度 |
| 自由民権運動 | 板垣退助らが国会開設・憲法制定など政治参加の拡大を求めた運動 |
| 下関条約 | 1895年、日清戦争後に台湾などの割譲と賠償金を定めた講和条約 |
| ポーツマス条約 | 1905年、日露戦争後に韓国での優越権や南樺太などを認めた講和条約 |
| 普通選挙法 | 1925年、納税額に関係なく満25歳以上の男子へ衆議院議員選挙権を広げた法律 |
| 満州事変 | 1931年、関東軍が柳条湖事件をきっかけに満州で軍事行動を拡大したできごと |
⑥ 手順
資料と因果記述の手順
- 年表を開国・国内改革・戦争・大衆社会の四段階に区切る
- 表では戦争名・年・講和条約・結果を同じ行で横に読む
- 記述は「背景」+「政策・事件」+「結果」のうち指定された二つ以上を40〜80字で書く
- ⑦は(1)資料の値、(2)年差や対応、(3)複数資料から因果を組み立てる
⑦ 例題
途中の考え方を追うための例です。演習は問題編で行います。
1853・1854・1858年を条約まで並べます。
考え方
まず年を昇順にし、来航が二つの条約を促した流れにします。 まず問題文で何を問うかを確かめ、資料がある場合は題名・年・単位・凡例を確認します。次に、本文・地図・年表・表から答えの直接の根拠を一つ選びます。最後に、原因→出来事→結果のつながりで説明できるか、似た用語・時代・機関と取り違えていないかを検算します。
答え:ペリー来航→日米和親条約→日米修好通商条約
廃藩置県が中央集権化につながる理由を説明します。
考え方
制度の変更と権力の移動を一文で結びます。 まず問題文で何を問うかを確かめ、資料がある場合は題名・年・単位・凡例を確認します。次に、本文・地図・年表・表から答えの直接の根拠を一つ選びます。最後に、原因→出来事→結果のつながりで説明できるか、似た用語・時代・機関と取り違えていないかを検算します。
答え:藩を廃し、政府が任命する府知事・県令に地方を治めさせたから。
日清戦争と日露戦争の講和条約を対応させます。
考え方
相手国・年・条約・権益を表の同じ行で読みます。 まず問題文で何を問うかを確かめ、資料がある場合は題名・年・単位・凡例を確認します。次に、本文・地図・年表・表から答えの直接の根拠を一つ選びます。最後に、原因→出来事→結果のつながりで説明できるか、似た用語・時代・機関と取り違えていないかを検算します。
答え:日清―下関条約、日露―ポーツマス条約
第一次大戦中に日本の輸出が増えた理由を資料から説明します。
考え方
統計の増加だけでなく、戦争による供給減を原因として書きます。 まず問題文で何を問うかを確かめ、資料がある場合は題名・年・単位・凡例を確認します。次に、本文・地図・年表・表から答えの直接の根拠を一つ選びます。最後に、原因→出来事→結果のつながりで説明できるか、似た用語・時代・機関と取り違えていないかを検算します。
答え:欧州諸国の生産が戦争で低下し、アジア市場で日本製品の需要が増えたため。
⑧ 入試での使われ方
- 順序を確定してから人物・条約・年号を配置する
- 統計の増減には時代背景を添える
- 二つの戦争は同じ比較軸で整理する
- ⑤基本:用語+順序 ⑥標準:資料1枚+短記述 ⑦応用:複数資料梯子+40〜80字(府公立の記述説明密度を下限)
- 赤本/過去問で形式と時間配分を体感(JS88に社会なし)
- リセマム大阪社会(共通1種)で資料読取→比較→記述の段に慣れる
⑨ よくある誤り
- 日米和親条約と修好通商条約の内容を逆にする
- 下関条約とポーツマス条約を混同する
- 普通選挙法で女性にも選挙権が与えられたと考える
⑩ 確認
次ができたら問題編へ進んでください。
- 開国から明治国家成立まで説明できる
- 戦争と講和条約を対応できる
- 大戦景気から社会変化への因果を書ける