要点編

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理科 第8章

仕事とエネルギー

要点編

仕事・運動・位置エネルギーの計算

要点編 — 参考書として先に読む。理解チェックができたら問題編へ。

ここは参考書パート(要点編)です。市販参考書と同じく「読んで理解 → 例題で流れを追う → チェック」の順で進めてください。理解チェックができたら問題編へ。

① この章のねらい

エネルギーでは、力による仕事、熱、電気を共通する量として扱う。仕事は力を加えたことだけでなく、その向きに物体が移動したときに生じる。エネルギーは形を変えて移り変わるが、全体として保存される。実際の装置では熱や音にも移るため、効率は通常100%未満である。

  • 仕事と仕事率を計算できる
  • 仕事が0になる条件を説明できる
  • 熱量の式を使える
  • 比熱の意味を説明できる
  • エネルギー保存を説明できる
  • 発電でのエネルギー変換を説明できる

② 重要ポイント(本文)

1.仕事の意味

仕事は力の向きに物体を動かしたときに生じる。仕事の大きさは力と、その向きに動いた距離の積である。動かない壁を押す仕事は0である。

2.仕事の単位

仕事の単位はJ(ジュール)である。1Jは1Nの力で物体を力の向きに1m動かす仕事である。力と距離の単位をN、mにそろえる。

3.仕事率

仕事率は単位時間あたりの仕事である。同じ仕事でも短時間で行うほど仕事率は大きい。単位WはJ/sと同じである。

4.道具と仕事

てこや滑車は小さい力で仕事をできるようにする。摩擦を無視すれば、必要な力が小さくなった分だけ動かす距離は長くなる。仕事そのものが得になるわけではない。

5.熱量

熱量は物体が受け取ったり失ったりする熱の量である。質量が大きいほど、また温度変化が大きいほど必要な熱量は大きい。単位はJである。

6.比熱

比熱は1gの物質の温度を1℃上げるのに必要な熱量である。比熱が大きい物質ほど同じ熱量で温度が上がりにくい。水は比熱が比較的大きい。

7.熱の移動

熱は温度の高い物体から低い物体へ移る。伝導、対流、放射という移り方がある。物質の状態や真空かどうかで主な移り方は異なる。

8.エネルギー保存

エネルギーは消えたり新たに生まれたりせず、形を変えて移る。位置エネルギー、運動エネルギー、電気エネルギー、熱エネルギーなどに変換される。全体の量に着目する。

9.発電

発電はさまざまなエネルギーを電気エネルギーに変換する。火力発電では燃料の化学エネルギーから熱、運動を経て電気へ変換する。太陽光発電は光エネルギーを直接電気へ変換する。

10.効率

投入したエネルギーのうち目的に役立つエネルギーの割合を効率という。役に立たないわけではなく、熱や音として周囲へ移るエネルギーがある。効率は通常100%を超えない。

11.位置・運動エネルギー

高い位置にある物体は、落下して運動できる能力として位置エネルギーをもつ。動いている物体は運動エネルギーをもつ。振り子や斜面では位置エネルギーと運動エネルギーが互いに変換される。摩擦があると一部は熱や音へ変換される。

12.電流の発熱

電流が抵抗を通ると電気エネルギーが熱エネルギーへ変換される。電熱線の太さや長さ、電流の大きさは発熱の程度に関係する。安全装置のヒューズは過大な電流で発熱して回路を切る。家庭の電気器具では定格や消費電力を確認する。

13.電力と家庭の電気

電気料金では電力量をkWhで表すことが多い。1kWhは1000Wの器具を1時間使った電力量である。Wは瞬間の電力、WhやkWhは使った電気エネルギーであり区別する。器具の消費電力と使用時間から電力量を見積もれる。

14.持続可能なエネルギー

発電方法には火力、水力、原子力、太陽光、風力などがある。各方式は安定供給、二酸化炭素排出、立地、廃棄物などで利点と課題が異なる。単一の発電方法だけで全てを評価せず、電力需要や地域条件も考える。省エネルギーは使う量を減らす重要な選択肢である。

③ 公式・用語

名称内容メモ
仕事仕事 = 力 × 力の向きに動いた距離J = N×m
仕事率仕事率 = 仕事 ÷ 時間W = J/s
熱量熱量 = 質量 × 比熱 × 温度変化
効率効率 = 有用な出力エネルギー ÷ 入力エネルギー × 100
電力量電力量 = 電力 × 時間

用語集

用語意味
仕事力により物体をその向きに動かすこと。
仕事率単位時間あたりの仕事。
熱量熱の量。単位はJ。
比熱1gを1℃上げるのに必要な熱量。
伝導物質を通して熱が伝わること。
対流流体の移動により熱が伝わること。
放射電磁波により熱が伝わること。
効率入力に対する有用な出力の割合。
仕事率単位時間あたりの仕事。
比熱1gを1℃上げるのに必要な熱量。

④ 解法・読み方の手順

仕事の計算手順

  1. 力の向きに動いた距離を確認する。
  2. 力[N]と距離[m]を掛ける。
  3. Jを付け、移動がなければ0と判断する。

熱量の計算手順

  1. 質量、比熱、温度変化を読み取る。
  2. 温度変化=後の温度−前の温度を求める。
  3. 三つを掛けてJで答える。

記述問題の手順

  1. 問われた語を丸で囲む。
  2. 観察事実、原理、結論の順に根拠をつなぐ。
  3. 単位・向き・条件を見直してから書く。

⑤ 図解

力 F → 物体 ───→ 距離 d
仕事 W = F×d(力の向きの距離)。
化学 → 熱 → 運動 → 電気 → 光
          └→熱・音
全体のエネルギーは保存される。

⑥ 例題(読んで流れを追う)

ここは「解く」より「途中式と根拠を追う」ための例です。演習は問題編で。

例題 1基本

20Nの力で物体を力の向きに3m動かした仕事を求めなさい。

考え方・途中式

仕事=力×距離。20×3=60。したがって60J。

答え:60J

例題 2基本

50Nで壁を10秒間押したが、壁は動かなかった。仕事は。

考え方・途中式

仕事=力×力の向きの移動距離。移動距離が0mなので50×0=0J。

答え:0J

例題 3標準

120Jの仕事を6秒で行った仕事率を求めなさい。

考え方・途中式

仕事率=仕事÷時間。120÷6=20。20J/s=20W。

答え:20W

例題 4標準

比熱4J/(g・℃)の物質50gを3℃上げる熱量を求めなさい。

考え方・途中式

熱量=質量×比熱×温度変化。50×4×3=600J。

答え:600J

例題 5入試

入力1000J、有用な出力700Jの装置の効率を求めなさい。

考え方・途中式

効率=700÷1000×100=70。したがって70%。

答え:70%

例題 6入試

この章の実験・計算で、答えだけでなく途中の根拠を書く必要がある理由を答えなさい。

考え方・途中式

条件を確認→使う法則を式または文で書く→数値を代入→単位付きの結論、の順に残す。

答え:用いた法則、条件、単位が正しいことを示し、計算や考察を検証できるようにするため。

⑦ 入試・テストでの使い方

外部過去問(JS88・リセマム等)の使い分けは過去問・外部資料ガイドを参照。

  • 力と移動距離は同じ向きの成分を使う。
  • 仕事率では時間を秒にそろえる。
  • 熱量は温度そのものではなく温度変化を使う。
  • 変換図では役に立つ出力以外の行き先も書く。
  • 効率は分母を入力エネルギーにする。
  • 複数の資料は、同じ条件で比較できるかを確認してから根拠にする。
  • 記述では結論だけでなく、現象を説明する語句を一つ以上入れる。
  • science005net「仕事とエネルギー」標準問題=入試レベル目安。
  • ⑤基本:005net基本問題 ⑥標準:005net標準 ⑦応用:JS88+本アプリ
  • 理科の学習(005net)で基本→標準を章ごとに

⑧ よくあるミス

  • 力を加えれば移動がなくても仕事があるとする。
  • 仕事率を仕事×時間で求める。
  • WとJを同じ単位として扱う。
  • 温度変化の符号や差を誤る。
  • 比熱が大きいほど温まりやすいとする。
  • エネルギーが熱になれば消えたとする。
  • 効率が100%を超える計算を見直さない。
  • WhとWを混同する。
  • 実験で変えた条件と、そろえた条件を混同する。
  • 数値の計算結果に単位や有効な条件を書かない。

⑨ 理解チェック

口頭でもノートでもよいので、全部言えたら問題編へ。

  • 仕事の定義を言える
  • 動かない壁への仕事を答えられる
  • Jの意味を説明できる
  • 仕事率を計算できる
  • 比熱を説明できる
  • 熱量を計算できる
  • 熱の三つの伝わり方を言える
  • エネルギー保存を説明できる
  • 発電の変換を説明できる
  • 効率を計算できる
  • 実験の対照を説明できる
  • 計算の式・代入・単位を順に書ける

⑩ 問題編へ

「仕事とエネルギー」の要点を押さえたら、次は手を動かして定着させましょう。

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解いたあとは解説編で途中式を確認し、間違えた問題は白紙で再挑戦。

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