数学 第17章
二次関数 y=ax²
要点編
【既習/完成/最低25問】放物線・変域・変化の割合。
① この章のねらい
この章ではy=ax²だけを扱い、放物線を式・表・グラフで読み取ります。aの符号と大きさがグラフの向き・開き方を決めます。二点間の変化の割合は区間ごとに変わるので、一次関数と混同しません。頂点・対称性・変域を一つのグラフ上で結び付けて理解します。
- y=ax²のグラフをかく
- aの符号と大きさを説明する
- 点を通る式を求める
- xとyの変域を求める
- 変化の割合を計算する
- グラフから条件を読む
- 面積問題を式で扱う
② 図と説明
下の図を順に見てください。各図の下に、その図の読み方を書いてあります。
図 1. y=ax² の放物線
aの符号で上向き・下向きを決め、|a|で開きの細さを比べます。xが正負で対になる点を表へ書き、y軸対称かを図で確認します。
放物線の基本形を押さえる
y=ax²の頂点は原点で、対称の軸はy軸です。指導順はaの符号(向き)→|a|(開き)→対応表→変域の0またぎ判定です。 xと-xでyが等しくなるため、左右対称な点を利用できます。 まず原点と対称軸を図に書きます。例えばy=2x²でx=±1のときどちらもy=2です。誤概念:点を直線で結ぶ、中学範囲で頂点が原点以外に動くと誤解すること。 まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。
図 2. 変域と0またぎ
xの範囲に0が入るかを最初に確認し、入るなら頂点のy=0を候補にします。両端と0を表で比べ、aが負なら大小が逆になることを読みます。
aの符号が開く向きを決める
aが正なら上に開き、原点で最小値0をとります。 aが負なら下に開き、原点で最大値0をとります。 xの範囲がある場合は端と0のどちらが極値になるか確認します。例えばy=-x²は下に開き、原点が最大値0です。 まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。
図 3. 変化の割合
始点pと終点qをx軸上で確認し、それぞれのyの値を図または式から読みます。縦の変化量÷横の変化量を計算し、区間により値が変わると確認します。
|a|はグラフの細さを決める
|a|が大きいほど、同じxで|y|が大きくなり放物線は細く見えます。点(1,2)と(1,1/2)を比べると、a=2の方が急です。 a=2とa=1/2のグラフを点(1,a)で比べると違いが分かります。 正負と大きさは別々に判断します。誤概念:aが負なら細さも逆になると考えること(細さは|a|)。 まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。
③ 続きの説明
4. 点を通る条件からaを決める
原点以外の点(x,y)をy=ax²へ代入すればaが一つに決まります。点(3,12)なら12=9aよりa=4/3です。 原点(0,0)はどのaでも通るため、原点だけでは式を決められません。 座標のxとyを取り違えないよう括弧付きで代入します。誤概念:原点だけでaを決めようとすること。 まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。
5. 表は対称なxで作る
x=-2,-1,0,1,2のように0をはさんで選ぶと対称性を確認できます。y=x²ならyは4,1,0,1,4です。 計算したyを正確にプロットし、滑らかな曲線で結びます。 目盛りが等しいかも確認します。誤概念:点を折れ線で結ぶこと。 まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。
6. 変域はx²から考え、0またぎを判定する
xの範囲でx²がとる最小・最大を先に調べます。特に変域が0を含む(0またぎ)なら、頂点(0,0)が最小または最大になるため、両端代入だけでは足りません。 aが負ならaを掛けたとき大小が逆転するので、不等号だけで処理せず値を比べます。 例:y=2x²で−2≦x≦3なら、x=0でy=0(最小)、x=−2でy=8、x=3でy=18(最大)より0≦y≦18。誤概念:両端だけ見て4≦y≦9型の答えにすること。 まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。
7. 変化の割合は区間を明記する
xがpからqまで変化するとき、変化の割合はa(p+q)です。y=2x²でxが−1から3なら2×(−1+3)=4です。 これは区間の両端に依存するので、y=ax²に一定の傾きはありません。 pとqの順を問題文どおりに置きます。誤概念:変化の割合をaそのものとする(一次関数の感覚の持ち越し)。 まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。
8. 増減は0を境に見る
a>0ではxが負の範囲で減少し、正の範囲で増加します。a>0でxが−2から−1ならyは4から1へ減少します。 a<0ではその逆になります。 「xが増える」ときにxの範囲が0をまたぐかを確認します。誤概念:区間全体で一方的に増加すると決めつけること。 まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。
9. 交点は連立して求める
放物線と直線の共有点は二つのyを等しいと置いて求めます。y=x²とy=3xならx²=3xよりx=0,3、交点は(0,0),(3,9)です。 できた二次方程式の解がx座標で、元の式へ代入した値がy座標です。 解が一つ、二つ、ない場合もあり得ます。誤概念:x座標だけを交点の答えにすること。 まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。
10. 面積は底辺と高さを数量化する
座標平面の図形でも、底辺と高さを座標差から求めます。原点と(4,0),(0,6)なら面積は(1/2)×4×6=12です。 曲線そのものに囲まれた面積を積分で求めることは中学範囲では扱いません。 問題文で与えられた線分や三角形・四角形へ分けて考えます。誤概念:底辺・高さが軸に平行でないのに安易に(1/2)bhすること。 まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。
11. 座標を代入してグラフを検証する
グラフから式を読むときも、式からグラフをかくときも、代表的な点を代入して確かめます。x=1ならy=a、x=-1でもy=aとなるため、aの値と対称性を同時に確認できます。x=2ではy=4aになるので、グラフの開き方を判断する目安にもなります。 目盛りを読み違えると正しい式でも別のグラフになるため、座標軸の1目盛りも確認します。 原点、x=1、x=-1を最初の確認点にする,xの二乗を先に計算してからaを掛ける,左右対称な二点の高さが等しいかを見る,点を打った後に軸対称になっているか確認する まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。
12. 変域は表とグラフで二重確認する
変域の問題では、計算だけで答えを出すとaが負の場合に不等号を誤りやすくなります。xの範囲を表に書き、x²の最小と最大、aを掛けた後の値を順に並べると安全です。最後にグラフのどの高さからどの高さまでを通るかを指で追って確認します。 端点が含まれるかどうかは≦と<の違いに直結するため、範囲の記号を写し間違えません。 xの範囲が0を含むかを最初に確認する,端点と0でのyの値を表に書く,aが負なら大小が反転することを値で確かめる,範囲の端点を含むかを不等号で確認する まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。
受験で押さえる(この章)
公式は「唱える」だけでなく、いつ使うか・何を検算するかをセットで固める。比や式は「どの数がどの辺/どの項か」まで対応させる。
必暗この章の公式(使い方付き)
左の公式名に対し、右で式と「いつ使うか・検算」をセットで言う。唱えるだけで終わらせない。
戦い方数学の戦い方
詰まったら3分で退避。白紙より途中式。見直しは符号・単位・問いの取り違え。
- 手順最初の2分で大問数・配点・図の有無を俯瞰し、解けそうな順に印
- 手順計算・小問を先に得点化し、図形・関数の記述は中盤
- 手順詰まったら3分ルールで一時退避。白紙より途中式を残す
- 手順見直し8分:符号・単位・設問の問い直し(何を求めているか)
- 手順毎日15分:学習中の単元の「受験で押さえる」を音読+書き
- 手順毎日30〜50分:弱点単元の⑤⑥または⑦を1セット
- 手順近い用語・近い年代・近い数値の取り違え
- 手順問題文の一部だけ合っていて結論がずれる選択肢
⑤ 公式・用語
| 名称 | 内容 | メモ |
|---|---|---|
| 二次関数 | y=ax² | — |
| 通る点 | a=y/x² (x≠0) | — |
| 変化の割合 | (aq²-ap²)/(q-p)=a(p+q) | — |
| 対称性 | f(-x)=f(x) | — |
| 三角形の面積 | 底辺×高さ÷2 | — |
用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 二次関数 | x²に比例する関数 |
| 放物線 | y=ax²のグラフ |
| 頂点 | 放物線の折り返しの点 |
| 対称軸 | グラフを二等分する直線 |
| 変域 | yのとる値の範囲 |
| 変化の割合 | 二点間のyの増加量÷xの増加量 |
| 交点 | 二つのグラフに共通する点 |
| 座標 | 平面上の位置を表す数の組 |
⑥ 手順
式を決めてグラフをかく
- 原点以外の通る点を読む
- y=ax²へ代入してaを求める
- xの値を対称に選んで表を作る
- 点を打ち、y軸対称を確認して結ぶ
変化の割合を求める
- xの始まりpと終わりqを書く
- 各xに対応するyを求める
- yの増加量を計算する
- xの増加量で割る
- a(p+q)でも検算する
⑦ 例題
途中の考え方を追うための例です。演習は問題編で行います。
y=-3x²で、x=2のときのyを求めなさい。
考え方
y=-3×2²=-3×4=-12。二乗を先に計算します。 まず問題文の数値・図の印・求める量を整理し、何を使うかを決めます。次に式の各行で操作の理由を確認しながら計算します。最後に答えを元の式や図へ戻して検算し、符号・単位・求める形式まで合っているか確かめます。
答え:-12
y=ax²が点(3,12)を通る。aを求めなさい。
考え方
12=a×3²=9a。よってa=12/9=4/3。 まず問題文の数値・図の印・求める量を整理し、何を使うかを決めます。次に式の各行で操作の理由を確認しながら計算します。最後に答えを元の式や図へ戻して検算し、符号・単位・求める形式まで合っているか確かめます。
答え:4/3
y=2x²で、xが-1から3まで変化するときの変化の割合を求めなさい。
考え方
a(p+q)=2×(-1+3)=4。直接計算でも(18-2)/(3-(-1))=16/4=4。 まず問題文の数値・図の印・求める量を整理し、何を使うかを決めます。次に式の各行で操作の理由を確認しながら計算します。最後に答えを元の式や図へ戻して検算し、符号・単位・求める形式まで合っているか確かめます。
答え:4
y=-x²で、-2≦x≦3のときのyの変域を求めなさい。
考え方
x²は0から9。y=-x²なので0から-9になり、-9≦y≦0。0またぎなので頂点の0が最大。 まず問題文の数値・図の印・求める量を整理し、何を使うかを決めます。次に式の各行で操作の理由を確認しながら計算します。最後に答えを元の式や図へ戻して検算し、符号・単位・求める形式まで合っているか確かめます。
答え:-9≦y≦0
y=x²で、−1≦x≦2のときのyの変域を求めなさい。
考え方
0またぎ判定:x=0でy=0(最小)。端点はx=−1でy=1、x=2でy=4。よって0≦y≦4。両端だけだと1≦y≦4となり誤り。 まず問題文の数値・図の印・求める量を整理し、何を使うかを決めます。次に式の各行で操作の理由を確認しながら計算します。最後に答えを元の式や図へ戻して検算し、符号・単位・求める形式まで合っているか確かめます。
答え:0≦y≦4
y=x²とy=3xの交点を求めなさい。
考え方
x²=3xよりx²-3x=0、x(x-3)=0。x=0,3をy=3xに代入して(0,0),(3,9)。 まず問題文の数値・図の印・求める量を整理し、何を使うかを決めます。次に式の各行で操作の理由を確認しながら計算します。最後に答えを元の式や図へ戻して検算し、符号・単位・求める形式まで合っているか確かめます。
答え:(0,0),(3,9)
y=ax²が点(2,8)を通る。xが-1から3まで変化するときの変化の割合を求めなさい。
考え方
8=a×2²より8=4a、a=2。y=2x²でx=-1のときy=2、x=3のときy=18。変化の割合は(18-2)/(3-(-1))=16/4=4。公式a(p+q)=2×(-1+3)=4でも確認できます。 まず問題文の数値・図の印・求める量を整理し、何を使うかを決めます。次に式の各行で操作の理由を確認しながら計算します。最後に答えを元の式や図へ戻して検算し、符号・単位・求める形式まで合っているか確かめます。
答え:a=2、変化の割合4
⑧ 入試での使われ方
- aの正負と絶対値を別々に見る
- 原点以外の点でaを決める
- 変域は0を含むか確認する
- 変化の割合には区間を書く
- 交点の答えは座標で書く
- ⑤基本:ちびむす/手鏡 ⑥標準:005net例題 ⑦応用:JS88型連鎖+本アプリ
- JS88数学過去問を50分×週1回
- 005net「入試対策数学総合」で総合力を確認
⑨ よくある誤り
- y=axと混同する:x²を使う関数
- 原点だけでaを決める:全ての放物線が通る
- a<0で不等号を反転しない:値を比べる
- 変化の割合をaとする:区間により変わる
- xの増加量を忘れる:差で割る
- 点を折れ線で結ぶ:放物線は曲線
- x座標だけを交点の答えにする:yも求める
- 範囲外の点を使う:指定範囲を守る
⑩ 確認
次ができたら問題編へ進んでください。
- 頂点と対称軸を言える
- aの符号を判定できる
- |a|と細さを結べる
- 点からaを求める
- 対称な表を作れる
- 変域を求める
- 変化の割合を求める
- 増減を0で分ける
- 交点を座標で求める
- 一次関数と区別できる