数学 第16章
二次方程式
要点編
【既習/完成/最低25問】因数分解・解の公式・文章題。
① この章のねらい
平方根は二乗の逆の考え方であり、二次方程式を解く基礎です。√aは正の平方根だけを表すことと、aの平方根は正負二つあることを区別します。二次方程式は、因数分解・平方根・解の公式から形に合う方法を選びます。求めた解は元の方程式で確かめます。
- 平方根と根号を区別する
- 根号を簡単にする
- 根号の加減乗除を行う
- 分母を有理化する
- 因数分解で二次方程式を解く
- 平方根の考えを使う
- 解の公式を使う
② 図と説明
下の図を順に見てください。各図の下に、その図の読み方を書いてあります。
図 1. 二次方程式の解法選択

右辺を0にそろえて式の形を読みます。積の形なら因数分解、二乗の形なら平方根、それ以外は解の公式を選び、二つの解を元の式へ代入します。
平方根は二つある
x²=aとなるxをaの平方根といいます。 a>0なら平方根は√aと-√aの二つで、9の平方根は±3です。 ただし記号√9は正の値3だけを表します。例えばx²=9ならx=±3ですが、√9は3だけです。 まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。
図 2. 因数分解で解く

積が0になっていることを確認し、左の因数と右の因数をそれぞれ0と置きます。二つの一次方程式を解いて、出た両方の値が解であることを検算します。
根号内を最も簡単にする
√12は√(4×3)=2√3と変形できます。 根号内から平方数を取り出すと、計算や大小比較がしやすくなります。 根号内に平方因数が残らない形まで整理します。例えば√48=√(16×3)=4√3です。 まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。
③ 続きの説明
3. 同類根号だけを加減する
2√3+5√3は7√3ですが、√2+√3はまとめられません。 文字式の同類項と同じく、根号内の数が同じかを見ます。 根号を先に簡単にしてから判定します。例えば2√3+5√3=7√3ですが、√2+√3はたせません。 まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。
4. 根号の積と商を使う
a,bが0以上なら√a×√b=√(ab)です。例えば√3×√12=√36=6です。 割り算では√a/√b=√(a/b)とできますが、分母に根号を残さないようにします。 条件として根号内が負にならないことも意識します。誤概念:√a+√bを√(a+b)にすること。 まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。
5. 有理化は分母を整数にする
1/√2には√2/√2を掛けて√2/2にします。 分子と分母に同じ0でない数を掛けるので値は変わりません。 分母がa+√bなら共役なa-√bを使います。例えば1/√3=√3/3です。 まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。
6. 二次方程式は右辺を0にする
因数分解を使うにはax²+bx+c=0の形へ整理します。 積が0なら少なくとも一方の因数が0という性質を使えます。 等号の右に項を残したまま因数分解しません。例えばx²=5xをx²-5x=0へ直してから因数分解します。 まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。
7. 因数分解では二つの解を出す
(x-2)(x+3)=0ならx-2=0またはx+3=0です。 一方の因数だけを0とすると、もう一つの解を失います。 解はx=2,-3と列挙します。例えば(x-2)(x+5)=0ならx=2,-5の両方です。 まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。
8. 平方根を取るときの±
x²=16からx=±4となります。 (x+2)²=9ならx+2=±3としてからxを求めます。 √16=4と方程式の解x=±4を混同しません。例えば(x-1)²=4ならx-1=±2よりx=3,-1です。 まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。
9. 解の公式は代入前の整理が重要
ax²+bx+c=0のa,b,cを符号付きで読み取ります。例えば2x²+x-3=0ならa=2,b=1,c=-3でx=(-1±5)/4より1,-3/2です。 特にbが負なら-bとb²の扱いを括弧で明確にします。 分母2a全体を一つのまとまりとして計算します。誤概念:bの符号を落として公式に代入すること。 まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。
10. 判別式は解の見通しを与える
b²-4acが正なら異なる二解、0なら重解、負なら実数解をもちません。 中学では主に公式の根号内として計算します。 値が平方数なら解をさらに簡単にできます。例えばb²-4ac=9なら√9=3で解を簡単にできます。 まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。
11. 近似値で根号の大きさをつかむ
√2や√3のように整数にならない根号は、近くの平方数と比べて大きさを見積もれます。1²<2<2²なので1<√2<2となり、必要なら1.4²や1.5²を比べてさらに絞れます。根号を電卓の記号として扱わず、数直線上の数として位置を考えることが重要です。 大小比較では、両方が0以上なら二乗して比べる方法も使えます。 まず前後の整数の平方を並べる,小数近似を使っても根号の正確な形は残す,負の数との比較では数直線の左右を意識する,平方根と根号の記号の意味を区別して説明する まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。
12. 解の吟味で条件を守る
二次方程式を解いた後は、問題文に長さ、個数、時間などの条件がないか確認します。方程式としては二つの解が出ても、長さなら負の値を採用できない場合があります。これは解を勝手に捨てる操作ではなく、求める数量の意味に照らして答えを選ぶ作業です。 ただし方程式だけを解けという設問では、条件がない限り二つの解を両方書きます。 解を元の方程式に代入して確かめる,問題文の単位と数量の意味を読み直す,二つの解が同じになる重解も一つの値として確認する,不要な解を除く理由を答案に短く書く まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。
受験で押さえる(この章)
公式は「唱える」だけでなく、いつ使うか・何を検算するかをセットで固める。比や式は「どの数がどの辺/どの項か」まで対応させる。
戦い方数学の戦い方
詰まったら3分で退避。白紙より途中式。見直しは符号・単位・問いの取り違え。
- 手順最初の2分で大問数・配点・図の有無を俯瞰し、解けそうな順に印
- 手順計算・小問を先に得点化し、図形・関数の記述は中盤
- 手順詰まったら3分ルールで一時退避。白紙より途中式を残す
- 手順見直し8分:符号・単位・設問の問い直し(何を求めているか)
- 手順毎日15分:学習中の単元の「受験で押さえる」を音読+書き
- 手順毎日30〜50分:弱点単元の⑤⑥または⑦を1セット
- 手順近い用語・近い年代・近い数値の取り違え
- 手順問題文の一部だけ合っていて結論がずれる選択肢
⑤ 公式・用語
| 名称 | 内容 | メモ |
|---|---|---|
| 平方根 | x²=a → x=±√a | — |
| 根号の積 | √a√b=√(ab) | — |
| 根号の商 | √a/√b=√(a/b) | — |
| 有理化 | 1/√a=√a/a | — |
| 解の公式 | x=(-b±√(b²-4ac))/(2a) | — |
| 平方完成型 | (x+p)²=q → x=-p±√q | — |
用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 平方根 | 二乗すると元の数になる数 |
| 根号 | 正の平方根を表す記号 |
| 被開平数 | √の中の数 |
| 有理化 | 分母の根号をなくすこと |
| 二次方程式 | 二次式を含む方程式 |
| 解 | 方程式を成り立たせる値 |
| 解の公式 | 二次方程式を解く一般式 |
| 判別式 | 公式の根号内b²-4ac |
⑥ 手順
二次方程式の解法選択
- 右辺を0にして整理する
- 因数分解できるか見る
- x²や平方の形なら平方根を取る
- 難しければ解の公式を使う
- 全ての解を代入して確かめる
根号計算の手順
- 根号内を因数分解する
- 平方数を外へ出す
- 同類根号をまとめる
- 分母に根号があれば有理化する
⑦ 例題
途中の考え方を追うための例です。演習は問題編で行います。
√75を簡単にしなさい。
考え方
√75=√(25×3)=√25×√3=5√3。25を根号の外へ出す。 まず問題文の数値・図の印・求める量を整理し、何を使うかを決めます。次に式の各行で操作の理由を確認しながら計算します。最後に答えを元の式や図へ戻して検算し、符号・単位・求める形式まで合っているか確かめます。
答え:5√3
3√2+2√8を計算しなさい。
考え方
√8=2√2。3√2+2×2√2=3√2+4√2=7√2。 まず問題文の数値・図の印・求める量を整理し、何を使うかを決めます。次に式の各行で操作の理由を確認しながら計算します。最後に答えを元の式や図へ戻して検算し、符号・単位・求める形式まで合っているか確かめます。
答え:7√2
x²-9=0を解きなさい。
考え方
x²=9。x=±√9=±3よりx=3,-3。 まず問題文の数値・図の印・求める量を整理し、何を使うかを決めます。次に式の各行で操作の理由を確認しながら計算します。最後に答えを元の式や図へ戻して検算し、符号・単位・求める形式まで合っているか確かめます。
答え:x=3,-3
x²-5x+6=0を解きなさい。
考え方
(x-2)(x-3)=0。よってx-2=0またはx-3=0。 まず問題文の数値・図の印・求める量を整理し、何を使うかを決めます。次に式の各行で操作の理由を確認しながら計算します。最後に答えを元の式や図へ戻して検算し、符号・単位・求める形式まで合っているか確かめます。
答え:x=2,3
2x²+x-3=0を解きなさい。
考え方
a=2,b=1,c=-3。x=(-1±√(1-4×2×-3))/4=(-1±5)/4より1,-3/2。 まず問題文の数値・図の印・求める量を整理し、何を使うかを決めます。次に式の各行で操作の理由を確認しながら計算します。最後に答えを元の式や図へ戻して検算し、符号・単位・求める形式まで合っているか確かめます。
答え:x=1,-3/2
縦がxcm、横がx+1cmの長方形の面積が12cm²です。xを求めなさい。
考え方
面積よりx(x+1)=12。x²+x-12=0と整理します。積が-12、和が1となる4と-3を使い、(x+4)(x-3)=0。x=-4,3のうち長さなので正のx=3を採用します。 まず問題文の数値・図の印・求める量を整理し、何を使うかを決めます。次に式の各行で操作の理由を確認しながら計算します。最後に答えを元の式や図へ戻して検算し、符号・単位・求める形式まで合っているか確かめます。
答え:x=3
⑧ 入試での使われ方
- √の意味を言葉で確認してから式を書く
- 根号内を先に簡単にする
- 二次方程式は必ず右辺0へ整理する
- 因数分解は積が0の形へつなぐ
- 公式のa,b,cには符号ごと代入する
- ⑤基本:ちびむす/手鏡 ⑥標準:005net例題 ⑦応用:JS88型連鎖+本アプリ
- JS88数学過去問を50分×週1回
- 005net「入試対策数学総合」で総合力を確認
⑨ よくある誤り
- √9を±3とする:√は正の平方根
- √a+√bを√(a+b)にする:加法には使えない
- 分母だけに根号を掛ける:値が変わる
- 解を一つだけ書く:二次方程式は二解が多い
- x²=9からx=3だけにする:負の解もある
- bの符号を落とす:公式の結果が変わる
- 分母の2aを忘れる:公式の一部である
- 検算しない:余分な解や計算ミスを見逃す
⑩ 確認
次ができたら問題編へ進んでください。
- 平方根と√を区別できる
- 根号を簡単にできる
- 同類根号を判別できる
- 有理化できる
- 方程式を0の形にできる
- 積が0の性質を使える
- ±を付けられる
- 公式へ代入できる
- 二解を列挙できる
- 元の式で検算できる