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数学 第14章

展開・因数分解

要点編

【既習/完成/最低25問】乗法公式と因数分解。

要点編 — 参考書として先に読む。理解チェックができたら問題編へ。

① この章のねらい

展開は積を和へ、因数分解は和を積へ変える逆向きの操作です。公式を丸暗記するより、分配法則から形を確かめると符号を誤りません。因数分解は共通因数を最初に探し、次に公式の形を見抜きます。最後に展開して元の式へ戻す検算を習慣にします。

  • 分配法則で展開する
  • 3つの乗法公式を使う
  • 共通因数をくくる
  • 公式を用いて因数分解する
  • x²+px+qを因数分解する
  • 置き換えを使う
  • 展開で検算する

② 図と説明

下の図を順に見てください。各図の下に、その図の読み方を書いてあります。

図 1. (a+b)² の面積モデル

(a+b)² の面積モデル

一辺a+bの正方形を四つの部分に分け、中央の二長方形がabずつあることを読みます。面積を足してa²+2ab+b²になる順を確認します。

展開は掛け漏れを防ぐ操作

二つの多項式の積では、一方の各項を他方の各項に掛けます。格子表(2×2)に書くと掛け漏れを防げます。例えば(x+2)(x+3)なら、x·x、x·3、2·x、2·3の四つを全て書き、x²+5x+6とします。 項が二つずつなら四つの積が出るため、矢印や縦書きで全組合せを確認します。「表にすると安全」が定型句です。 最後に同類項をまとめて標準形にします。誤概念:一方の項だけに掛けて中央項を落とすこと。検算はx=1を代入して左右一致を見ます。 まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。

図 2. 平方差の公式

平方差の公式

a²からb²を引く図を、辺a-bとa+bの長方形へ組み替えて読みます。展開したときに中央項が打ち消し合うことを式と図の両方で確かめます。

和の平方の中央項

(a+b)²はa²+2ab+b²です。 中央項2abはabとbaの二つが加わってできるので、係数2を忘れてはいけません。 aとbの符号を保ったまま使います。例えば(x+2)²=x²+4x+4で、中央項は2×x×2=4xです。 まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。

図 3. 因数分解の判定フロー

因数分解の判定フロー

全項に共通する数や文字を最初に探し、くくった後の形を見ます。次に平方差や完全平方、二次式の公式を選び、最後は展開して元の式へ戻します。

差の平方の符号

(a-b)²では中央項だけが-2abになります。 最後の(-b)²は正のb²であり、最後まで負にはなりません。 括弧全体を二乗している意味を意識します。例えば(x-3)²=x²-6x+9で、最後は(+9)です。 まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。

③ 続きの説明

4. 平方差は交差項が消える

(a+b)(a-b)ではabと-baが打ち消し合います。例えば(x+4)(x-4)=x²-16です。 残るのはa²-b²なので、二つの平方の差を見たら逆向きにも使えます。 和と差の組になっているかを確認します。誤概念:中央項2abが残ると考えること。 まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。

5. 共通因数を最優先する

因数分解では全項に共通する数や文字を最初にくくります。例えば6x²-15x=3x(2x-5)です。 先に公式を探すと、より簡単な積の形を見落とすことがあります。 くくった後の括弧内もさらに因数分解できるか見ます。誤概念:共通因数を残したまま公式だけ当てはめること。 まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。

6. 符号を含めてくくる

先頭項を正にしたいときは、-1や負の文字係数を共通因数としてくくれます。-x²+3xは-x(x-3)とすると括弧内を見やすくできます。 展開して符号が戻るか確認します。例:-x(x-3)=-x²+3xで元に戻ります。 誤概念:負の共通因数をくくったあと括弧内の符号を直さないこと。 まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。

7. 二次式は積と和を見る

x²+px+qは、積がqで和がpになる二数を探します。 qが正なら二数は同符号、qが負なら異符号です。 和の符号からどちらの符号かを決めます。例えばx²+5x+6=(x+2)(x+3)で、2×3=6かつ2+3=5です。 まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。

8. 係数がある二次式を整理する

ax²+bx+cでは、共通因数や置き換えで公式の形に近付けます。例えば2x²+6x+4=2(x²+3x+2)=2(x+1)(x+2)です。 不用意に数を割ると整数の因数を見つけにくくなるため、まず全項の共通因数を調べます。 積に戻した後の各因数も確認します。誤概念:共通の2を落として答えを(x+1)(x+2)だけにすること。 まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。

9. 置き換えで構造を見る

x²を一つの文字Aと見れば、x⁴+5x²+6はA²+5A+6=(A+2)(A+3)=(x²+2)(x²+3)です。 複雑な文字や式でも同じ部分を一まとまりにすると、基本公式が使えます。 置き換えたものを最後に必ず戻します。誤概念:Aのまま答えを終えること。 まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。

10. 展開と因数分解は検算になる

因数分解の答えを展開すれば元の式に戻るはずです。 一致しなければ係数、中央項、符号のどれかが誤っています。 答え合わせ前にも自分で確かめられる強力な方法です。例えば(x-2)(x+3)を展開しx²+x-6へ戻して確かめます。 まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。

11. 文字を数として試して確かめる

展開公式に不安があるときは、x=2など簡単な数を代入して左右が一致するかを確かめられます。これは証明の代わりではありませんが、中央項や符号の誤りを早く発見する検算になります。文字式のままの展開と数値代入の両方で同じ値になる経験は、公式の意味を理解する助けになります。 ただし、一つの数で合っても常に正しいとは限らないので、最後は分配法則に戻って確認します。 代入する数は0、1、-1など計算しやすい値を選ぶ,分母がある式では0にしてはいけない文字がないか確認する,公式の左辺と右辺の両方に同じ値を代入する,検算の結果と式変形の根拠を混同しない まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。

12. 因数分解の答えの形を整える

因数分解は、これ以上因数分解できない積の形まで進めることが必要です。例えばx²-4を(x²-4)のままにせず、(x-2)(x+2)まで分けるかを確認します。共通因数をくくった後に公式が使える場合も多いため、一度で終わりと決めません。 定数因数の順序は変えても値は同じですが、通常は係数を前、文字を含む因数を括弧にして読みやすく書きます。 共通因数をくくった後の括弧内を再点検する,平方差や完全平方の形が残っていないか見る,因数の順序より、積の形になっているかを優先する,展開して元の多項式へ戻るかを必ず確かめる まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。

受験で押さえる(この章)

公式は「唱える」だけでなく、いつ使うか・何を検算するかをセットで固める。比や式は「どの数がどの辺/どの項か」まで対応させる。

覚え方展開・因数分解の往復

公式は暗唱だけでなく、展開→因数分解→展開で戻す。中央項の符号が最頻出ミス。

  • (a+b)²a²+2ab+b²
  • (a+b)(a−b)a²−b²

必暗この章の公式(使い方付き)

左の公式名に対し、右で式と「いつ使うか・検算」をセットで言う。唱えるだけで終わらせない。

覚えの手がかり対応する答え
展開公式(a+b)²=a²+2ab+b² / 最後に展開検算
展開公式2(a−b)²=a²−2ab+b² / 符号注意
展開公式3(a+b)(a−b)=a²−b² / 差の積
因数分解共通因数→公式の形 / 展開で戻す

戦い方数学の戦い方

詰まったら3分で退避。白紙より途中式。見直しは符号・単位・問いの取り違え。

  • 手順最初の2分で大問数・配点・図の有無を俯瞰し、解けそうな順に印
  • 手順計算・小問を先に得点化し、図形・関数の記述は中盤
  • 手順詰まったら3分ルールで一時退避。白紙より途中式を残す
  • 手順見直し8分:符号・単位・設問の問い直し(何を求めているか)
  • 手順毎日15分:学習中の単元の「受験で押さえる」を音読+書き
  • 手順毎日30〜50分:弱点単元の⑤⑥または⑦を1セット
  • 手順近い用語・近い年代・近い数値の取り違え
  • 手順問題文の一部だけ合っていて結論がずれる選択肢

⑤ 公式・用語

名称内容メモ
和の平方(a+b)²=a²+2ab+b²
差の平方(a-b)²=a²-2ab+b²
平方差(a+b)(a-b)=a²-b²
平方和型a²+2ab+b²=(a+b)²
二次式x²+(p+q)x+pq=(x+p)(x+q)

用語

用語意味
展開積を和の形にすること
因数分解和を積の形にすること
分配法則括弧内の各項へ掛ける規則
共通因数全項に共通する因数
乗法公式頻出の積を表す公式
平方差二つの平方の差
標準形次数の高い順に並べた式
置き換え同じ式を一文字とみなすこと

⑥ 手順

因数分解の判定順

  1. 全項の共通因数をくくる
  2. 項数と符号を確認する
  3. 乗法公式の形を探す
  4. 二次式なら積と和を調べる
  5. 展開して検算する

展開を正確にする

  1. 各項の組合せに印を付ける
  2. 係数と文字を別々に掛ける
  3. 符号を含めて書く
  4. 同類項をまとめる

⑦ 例題

途中の考え方を追うための例です。演習は問題編で行います。

例題 1基本

(x+3)(x+5)を展開しなさい。

考え方

格子表でx·x、x·5、3·x、3·5の四つ。x²+5x+3x+15=x²+8x+15。掛け漏れ防止。 まず問題文の数値・図の印・求める量を整理し、何を使うかを決めます。次に式の各行で操作の理由を確認しながら計算します。最後に答えを元の式や図へ戻して検算し、符号・単位・求める形式まで合っているか確かめます。

答え:x²+8x+15

例題 2基本

(2x-3)²を展開しなさい。

考え方

(2x)²-2×2x×3+3²=4x²-12x+9。中央項の符号は負。 まず問題文の数値・図の印・求める量を整理し、何を使うかを決めます。次に式の各行で操作の理由を確認しながら計算します。最後に答えを元の式や図へ戻して検算し、符号・単位・求める形式まで合っているか確かめます。

答え:4x²-12x+9

例題 3標準

6x²-15xを因数分解しなさい。

考え方

6x²と-15xの共通因数は3x。3x(2x-5)とくくる。 まず問題文の数値・図の印・求める量を整理し、何を使うかを決めます。次に式の各行で操作の理由を確認しながら計算します。最後に答えを元の式や図へ戻して検算し、符号・単位・求める形式まで合っているか確かめます。

答え:3x(2x-5)

例題 4標準

x²-x-12を因数分解しなさい。

考え方

積が-12、和が-1となるのは-4と3。よって(x-4)(x+3)。 まず問題文の数値・図の印・求める量を整理し、何を使うかを決めます。次に式の各行で操作の理由を確認しながら計算します。最後に答えを元の式や図へ戻して検算し、符号・単位・求める形式まで合っているか確かめます。

答え:(x-4)(x+3)

例題 5入試

x⁴-5x²+4を因数分解しなさい。

考え方

A=x²と置くとA²-5A+4=(A-1)(A-4)。Aを戻し、平方差を使う。 まず問題文の数値・図の印・求める量を整理し、何を使うかを決めます。次に式の各行で操作の理由を確認しながら計算します。最後に答えを元の式や図へ戻して検算し、符号・単位・求める形式まで合っているか確かめます。

答え:(x²-1)(x²-4)=(x-1)(x+1)(x-2)(x+2)

例題 6入試

(x+2)(x-2)-(x-1)²を計算しなさい。

考え方

(x+2)(x-2)=x²-4であり、平方差を用います。(x-1)²=x²-2x+1。したがってx²-4-(x²-2x+1)=x²-4-x²+2x-1=-2x+3。後ろの括弧全体に負号を掛けることが重要です。 まず問題文の数値・図の印・求める量を整理し、何を使うかを決めます。次に式の各行で操作の理由を確認しながら計算します。最後に答えを元の式や図へ戻して検算し、符号・単位・求める形式まで合っているか確かめます。

答え:-2x+3

⑧ 入試での使われ方

  • 公式のaとbを式のどの部分に対応させたか書く
  • 因数分解は共通因数から始める
  • 負の共通因数で括弧内を見やすくする
  • 答案では途中の因数分解を省かない
  • 検算は展開して行う
  • ⑤基本:ちびむす/手鏡 ⑥標準:005net例題 ⑦応用:JS88型連鎖+本アプリ
  • JS88数学過去問を50分×週1回
  • 005net「入試対策数学総合」で総合力を確認

⑨ よくある誤り

  • (a-b)²の最後を-b²にする:二乗なので正
  • 2abを忘れる:交差項は二つある
  • 共通因数をくくらない:完全な因数分解でない
  • 積だけ見て和を見ない:中央項が合わない
  • 係数を片方にしか掛けない:分配法則違反
  • 置き換えを戻さない:元の文字の答えでない
  • 因数分解後に加法のまま書く:積の形にする
  • 検算しない:符号ミスを見逃す

⑩ 確認

次ができたら問題編へ進んでください。

  • 全ての項へ分配できる
  • 和と差の平方を区別できる
  • 平方差を使える
  • 共通因数を探せる
  • 負の因数をくくれる
  • 積と和から二数を探せる
  • 置き換えができる
  • 完全に因数分解できる
  • 展開で検算できる
  • 符号を確認できる

⑪ 問題編へ

「展開・因数分解」の内容を押さえたら、問題編で手を動かして定着させましょう。

問題編を開く →

解いたあとは解説編で手順を確認してください。

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