数学 第13章
確率
要点編
【既習/完成/最低25問】樹形図・場合の数・確率。
① この章のねらい
確率は、起こりうる全ての場合を図や表で同じ基準で数え、その中の条件に合う場合と比べる単元です。樹形図は飾りではなく、順序や重複を可視化して数え漏れを防ぐ道具です。
- 全事象と求める事象を区別する
- 樹形図・表で場合を数える
- 余事象を使って少ない方を数える
- 確率が0から1の範囲か検算する
② 図と説明
下の図を順に見てください。各図の下に、その図の読み方を書いてあります。
図 1. 確率と樹形図

試行の順に枝を伸ばし、終点一つを一つの結果として数えます。全ての終点を分母にしてから、条件に合う終点だけを分子として囲みます。
分母は「起こりうる全て」を一度だけ数える
確率の分母は、条件の前にあり得る全ての場合です。コイン二枚なら表裏の四通り、さいころ二個なら順序を区別して36通りです。「少なくとも」の条件を分母に混ぜず、最初に全事象を囲んでから有利な場合を数えます。 まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。
図 2. 確率と割合

実験の回数と起こった回数を対応させ、起こった回数÷全体で割合を読みます。試行回数が増えるほど値がどう変わるかもグラフで確かめます。
樹形図は枝の終点を数える
一回目から二回目へ枝を伸ばし、同じ確からしさの終点を一つずつ数えます。戻さない抽出では二回目の選択肢が減るので、枝ごとに分母が変わることを図に反映します。表を使うときも、行と列の組が一つの結果を表すことを確認します。 まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。
③ 続きの説明
3. 少なくとも一つは余事象で見る
「少なくとも一回」の直接数え上げが複雑なら、「一回も起こらない」場合を数えて1から引きます。ただし余事象は全体を漏れなく二つに分ける必要があります。答えが負や1より大きくなれば、分子・分母の数え方が破綻しています。 まず図・数直線・式のどこが基準かを指で確認します。次に与えられた数値や印を対応する場所へ書き込み、使う性質を一つずつ言葉にします。最後に途中の値と答えを図や元の式へ戻し、条件・符号・単位に矛盾がないか検算します。
4. 同じ確からしさを保つ
公平なコインやさいころでは各結果が等しい確率です。まず「同様に確からしい」と言えるかを確認し、次に場合の数で分子と分母を数え、最後に偏った条件や戻さない抽出の影響がないか検算します。偏りがあるときは場合の数だけでは扱えません。図や式に戻って、使った条件と答えが矛盾していないかを毎回言葉で確認します。
受験で押さえる(この章)
公式は「唱える」だけでなく、いつ使うか・何を検算するかをセットで固める。比や式は「どの数がどの辺/どの項か」まで対応させる。
戦い方数学の戦い方
詰まったら3分で退避。白紙より途中式。見直しは符号・単位・問いの取り違え。
- 手順最初の2分で大問数・配点・図の有無を俯瞰し、解けそうな順に印
- 手順計算・小問を先に得点化し、図形・関数の記述は中盤
- 手順詰まったら3分ルールで一時退避。白紙より途中式を残す
- 手順見直し8分:符号・単位・設問の問い直し(何を求めているか)
- 手順毎日15分:学習中の単元の「受験で押さえる」を音読+書き
- 手順毎日30〜50分:弱点単元の⑤⑥または⑦を1セット
- 手順近い用語・近い年代・近い数値の取り違え
- 手順問題文の一部だけ合っていて結論がずれる選択肢
⑤ 公式・用語
| 名称 | 内容 | メモ |
|---|---|---|
| 確率 | 求める場合の数÷全ての場合の数 | — |
| 余事象 | 起こらない確率=1−起こる確率 | — |
用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 全事象 | 起こりうる全ての結果 |
| 事象 | 条件を満たす結果の集まり |
| 余事象 | その事象が起こらないこと |
⑥ 手順
樹形図で確率を求める
- 試行の順に枝を分ける
- 終点を全て数えて分母にする
- 条件に合う終点へ印を付ける
- 分数を約分し0≦P≦1を確認する
⑦ 例題
途中の考え方を追うための例です。演習は問題編で行います。
公平なコインを2回投げる。両方表の確率は。
考え方
全事象はHH, HT, TH, TTの4通りで、有利な場合はHHの1通り。 まず問題文の数値・図の印・求める量を整理し、何を使うかを決めます。次に式の各行で操作の理由を確認しながら計算します。最後に答えを元の式や図へ戻して検算し、符号・単位・求める形式まで合っているか確かめます。
答え:1/4
さいころを2回投げ、少なくとも一回6が出る確率は。
考え方
6が一度も出ない確率は(5/6)²=25/36。1−25/36=11/36。 まず問題文の数値・図の印・求める量を整理し、何を使うかを決めます。次に式の各行で操作の理由を確認しながら計算します。最後に答えを元の式や図へ戻して検算し、符号・単位・求める形式まで合っているか確かめます。
答え:11/36
袋に赤球2個、白球3個。1個取り出すとき赤の確率は。
考え方
まず全ての球が同様に確からしいとして全事象は5通りとします。次に赤球は2通りなので確率は2/5です。最後に約分の要否と0≦2/5≦1であることを検算します。途中の式と答えの意味を問題文の条件へ戻し、符号・単位・求める形式まで検算します。途中の式と答えの意味を問題文の条件へ戻し、符号・単位・求める形式まで検算します。
答え:2/5
⑧ 入試での使われ方
- 分母と分子を別色で囲む
- 順序を区別するかを問題文で確認する
- ⑤基本:ちびむす/手鏡 ⑥標準:005net例題 ⑦応用:JS88型連鎖+本アプリ
- JS88数学過去問を50分×週1回
- 005net「入試対策数学総合」で総合力を確認
⑨ よくある誤り
- 有利な場合だけを分母にする
- 戻さない抽出で同じ枝数を使う
- 「少なくとも」を「ちょうど一回」と読み替える
⑩ 確認
次ができたら問題編へ進んでください。
- 樹形図の終点を漏れなく数えられる
- 余事象を使う場面を選べる
- 確率の範囲で検算できる