要点編

読んで理解チェック → 問題編へ。セクション名タップで到達記録。

数学 第7章

標本調査

要点編

標本調査とデータの分析

要点編 — 参考書として先に読む。理解チェックができたら問題編へ。

ここは参考書パート(要点編)です。市販参考書と同じく「読んで理解 → 例題で流れを追う → チェック」の順で進めてください。理解チェックができたら問題編へ。

① この章のねらい

標本調査は、母集団の一部を調べて全体の傾向を推定する方法です。結論の信頼性は計算だけでなく、標本をどう選んだかに大きく左右されます。相対度数を割合として扱い、母集団の人数へ戻して推定します。推定値には誤差があり、確定値とは区別します。

  • 母集団と標本を区別する
  • 全数調査との違いを説明する
  • 無作為抽出の必要性を説明する
  • 相対度数を求める
  • 母集団の人数を推定する
  • 標本の偏りを指摘する
  • 推定結果を適切に表現する

② 重要ポイント(本文)

1.母集団は調べたい全体

調査の対象となる全体を母集団といいます。 市全体の意識を調べるなら、市民全員が母集団です。 調べる範囲を先に明確にしないと結論がずれます。

2.標本は母集団から選ぶ一部

母集団から実際に取り出して調べる一部を標本といいます。 標本の結果を使って母集団を推定するので、標本が全体を代表している必要があります。 標本数と選び方を記録します。

3.全数調査と使い分ける

全数調査は全員を調べるため正確ですが、時間や費用が大きくなります。 標本調査は効率的ですが、誤差や偏りが生じる可能性があります。 対象が小さい、または全数が必要な場合は全数調査が適します。

4.無作為抽出で偏りを減らす

母集団の各人が同じ程度に選ばれる方法が無作為抽出です。 くじ、乱数、無作為な番号選択などを用います。 都合のよい人だけを選ぶと、結果を全体へ広げられません。

5.層化は重要な違いを保つ

学年や地域のように構成が異なるときは、各層から割合に応じて選ぶ方法があります。 特定の層が過度に多い標本を避けられます。 中学数学では、偏りを減らす考えとして理解します。

6.相対度数は割合である

ある結果の度数を標本全体の数で割ったものが相対度数です。 35人中7人なら7/35=0.2、すなわち20%です。 度数と相対度数の単位を混同しません。

7.推定は相対度数を掛ける

母集団で同じ割合とみなして、母集団の大きさに相対度数を掛けます。 1200人の35%なら1200×0.35=420人です。 答えは「約」を付けて推定値と示します。

8.標本数が大きいほど安定しやすい

標本数が極端に少ないと、偶然の偏りで相対度数が大きく動きます。 標本数を増やすと一般に推定は安定しますが、偏った選び方を直すわけではありません。 数と方法の両方を評価します。

9.質問の仕方にも偏りがある

誘導的な質問や答えにくい質問は、実態と異なる回答を生むことがあります。 調査目的に合い、選択肢が公平な質問にします。 抽出だけでなく測定方法も調査の質を決めます。

10.結果は範囲を限定して述べる

標本調査から言えるのは、対象の母集団についての推定です。 別の地域や別の時期まで断定することはできません。 「この標本からは」と条件を添えて説明します。

11.標本の選び方を具体的に評価する

「無作為に選んだ」と書かれていても、実際に誰が選ばれる可能性があったかを考えます。例えば早朝の駅前だけで調べれば、通勤・通学する人に偏り、全市民を代表するとは限りません。標本調査の記述問題では、偏りの有無だけでなく、どの集団が不足または過多かを具体的に述べます。 偏りを減らすには、名簿から乱数で選ぶ、地域や学年ごとに抽出するなどの方法があります。 調査場所・時刻・対象者を確認する,選ばれなかった人に共通する特徴を考える,無作為抽出の方法を一つ具体的に書く,結論を母集団の範囲内に限定して述べる

12.割合と人数を往復する

標本調査では、度数、相対度数、百分率、推定人数を行き来します。計算の途中で35%を35のまま使うと100倍の誤りになるため、0.35へ直してから母集団に掛けます。逆に推定人数から割合を考えるときは、人数を母集団で割って小数または百分率へ戻します。 表の見出しに「人」「%」「小数」を書くと、単位の混同を防げます。 百分率を計算に使う前に100で割る,推定人数は整数でも「約」を付ける,割合が0から1の範囲にあるか確認する,度数の合計が標本数と一致するか確かめる

13.この章の確認演習

標本調査の演習では、問題文から母集団、標本、抽出方法、標本数を抜き出して四つの欄に整理する。相対度数は分数、小数、百分率の三形式へ直し、どの形で計算するかを明示して100倍の誤りを防ぐ。推定人数は母集団に割合を掛け、答えに約を付けて確定値ではないことを示す。調査方法を問う記述では、誰が選ばれにくいかと、無作為に選ぶ改善策を具体的に書く。

14.復習の進め方

標本調査は計算問題と記述問題を半分ずつ復習する。計算では度数、相対度数、百分率、推定人数を表に並べて変換し、記述では調査の偏りと改善策を一文で書く。標本数が多くても偏った調査は信頼できない例を自分で一つ作る。推定値に約を付ける理由を説明できれば、確定値との区別が定着している。

15.仕上げの確認

仕上げ確認では、母集団、標本、抽出方法、相対度数、推定値の約を確認する。割合を小数へ直して計算したか、結論を全体へ言い過ぎていないかも見る。

③ 公式・用語

名称内容メモ
相対度数度数÷標本全体の数
百分率相対度数×100
推定人数母集団の大きさ×相対度数
標本割合標本中の該当数÷標本数
誤差推定値と実際の値の差

用語集

用語意味
母集団調査したい全体
標本母集団から選んだ一部
標本調査一部から全体を推定する調査
全数調査全体を全て調べる調査
無作為抽出偏りなく選ぶ方法
相対度数全体に対する度数の割合
推定標本から全体を見積もること
偏り結果が特定の傾向へ寄ること

④ 解法・読み方の手順

標本調査を読み解く

  1. 母集団を特定する
  2. 標本の人数と選び方を確認する
  3. 相対度数を計算する
  4. 母集団へ掛けて推定する
  5. 偏りと誤差の可能性を述べる

相対度数で推定する

  1. 該当する度数を読む
  2. 標本全体で割る
  3. 小数または百分率へ直す
  4. 母集団の人数に掛ける
  5. 約何人と表す

⑤ 図解

母集団(全体)
  ↓ 無作為抽出
標本(一部)
  ↓ 相対度数
全体を推定
標本200人:賛成70人
相対度数=70/200=0.35
母集団1200人→約420人

⑥ 例題(読んで流れを追う)

ここは「解く」より「途中式と根拠を追う」ための例です。演習は問題編で。

例題 1基本

50人の標本で賛成が18人であった。相対度数を求めなさい。

考え方・途中式

18÷50=0.36。百分率では0.36×100=36%。

答え:0.36(36%)

例題 2基本

母集団1000人、標本の相対度数0.27のとき該当人数を推定しなさい。

考え方・途中式

1000×0.27=270。推定なので約270人とする。

答え:約270人

例題 3標準

学校全体の意見調査で、昼休みに図書室にいる生徒だけを調べた。この問題点を答えなさい。

考え方・途中式

図書室にいる生徒は全校から無作為に選ばれていない。結果を全校へ一般化できない。

答え:標本に偏りがあり全校生徒を代表しない

例題 4標準

80人中12人が左利きだった。全校640人の左利きの人数を推定しなさい。

考え方・途中式

相対度数は12/80=0.15。640×0.15=96。

答え:約96人

例題 5入試

A市で無作為に100人を選び60人が賛成、B市で20人を選び15人が賛成だった。どちらの結果をより慎重に扱うべきか。

考え方・途中式

B市は標本数20人で少なく偶然の影響を受けやすい。割合だけでなく標本数を見る。

答え:B市

例題 6入試

ある市の200人の無作為標本で、公共交通を週3回以上使う人が76人だった。市民8500人では何人程度と推定されるか。

考え方・途中式

相対度数は76/200=0.38である。母集団8500人に同じ割合を用いると8500×0.38=3230。標本調査の結果なので「3230人」と断定せず「約3230人」と書く。無作為標本であることが、この推定の前提になる。

答え:約3230人

⑦ 入試・テストでの使い方

外部過去問(JS88・リセマム等)の使い分けは過去問・外部資料ガイドを参照。

  • 母集団と標本を文章中で分けて丸を付ける
  • 相対度数は分数・小数・百分率を行き来する
  • 推定人数には約を付ける
  • 抽出方法の偏りを必ず確認する
  • 標本数と選び方をセットで評価する
  • 標本調査はリセマム大阪数学の資料問題も併用。
  • ⑤基本:ちびむす/手鏡 ⑥標準:005net例題 ⑦応用:JS88+本アプリ
  • JS88数学過去問を50分×週1回
  • 005net「入試対策数学総合」で総合力を確認

⑧ よくあるミス

  • 標本を母集団と呼ぶ:全体と一部を区別する
  • 度数を相対度数とする:全体で割る
  • 百分率を100で割らず掛ける:0.35に直す
  • 都合のよい集団を無作為とする:選ばれ方が違う
  • 推定を確定値とする:誤差があり得る
  • 標本数だけ多ければよいとする:偏りは残る
  • 対象外へ結論を広げる:母集団を限定する
  • 質問の誘導を無視する:回答にも偏りが出る

⑨ 理解チェック

口頭でもノートでもよいので、全部言えたら問題編へ。

  • 母集団を特定できる
  • 標本を特定できる
  • 全数調査と比較できる
  • 無作為抽出を説明できる
  • 相対度数を計算できる
  • 百分率に直せる
  • 人数を推定できる
  • 偏りを指摘できる
  • 標本数の影響を言える
  • 約を付けて答えられる

⑩ 問題編へ

「標本調査」の要点を押さえたら、次は手を動かして定着させましょう。

問題編を開く →

解いたあとは解説編で途中式を確認し、間違えた問題は白紙で再挑戦。

夏休み完成講座 — 関西大学北陽高校 文理コース受験サポート

目次