数学 第5章
円
要点編
円周角・接線・作図
ここは参考書パート(要点編)です。市販参考書と同じく「読んで理解 → 例題で流れを追う → チェック」の順で進めてください。理解チェックができたら問題編へ。
① この章のねらい
円では、弧に対する中心角・円周角と接線の性質を根拠に角度を求めます。角の両辺が円と交わる点を見て、どの弧を見込むかを判断します。補助線として半径を引くと、接線問題は直角三角形や円周角の問題へつながります。図の見た目で角度を決めず、弧と性質を言葉で書きます。
- 円の基本要素を言える
- 中心角と円周角を区別する
- 同じ弧の円周角を使う
- 直径に対する円周角を使う
- 円に内接する四角形を扱う
- 接線と半径の関係を使う
- 接弦定理を使う
② 重要ポイント(本文)
1.弧を先に特定する
円周角は、両辺が円周と交わる二点で決まる弧を見込む角です。 角の頂点だけを見ると別の弧と取り違えるため、弧の両端に印を付けます。 中心角と円周角で同じ弧を比較します。
2.中心角は弧の大きさ
中心角の大きさは対応する弧の大きさと同じです。 弧ABに対する中心角∠AOBが100°なら、その弧を見込む円周角は50°です。 中心Oが頂点であることを確認します。
3.円周角は中心角の半分
同じ弧に対する円周角は中心角の半分です。 この関係は円周上の頂点がどこに移っても、同じ弧を見る限り成り立ちます。 中心角と円周角を逆にして二倍・半分を誤らないようにします。
4.同じ弧の円周角は等しい
同じ二点を両端とする弧を見込む円周角は等しいです。 これにより、円周上の離れた二つの角を結び付けられます。 大きい弧と小さい弧のどちらを見るかは図で確認します。
5.直径を見込む角は直角
円周角の両端が直径の両端なら、中心角は180°です。 その半分なので円周角は90°になります。 内接三角形を直角三角形として扱える重要な発見です。
6.内接四角形の対角は180°
円に内接する四角形では、向かい合う二角の和は180°です。 同じ円周全体を二つの弧に分けて円周角を考えると説明できます。 一方の対角が分かれば他方を補角で求めます。
7.接線は半径と垂直
接点を通る半径は、その接線に垂直です。 接線問題では接点と中心を結ぶ半径を補助線で引きます。 90°が増えると三角形の内角和や三平方へつながります。
8.同一点から引いた接線の長さ
円の外部の一点から引いた二本の接線は、接点までの長さが等しいです。 二つの直角三角形で斜辺と半径が共通になることから合同で説明できます。 接点を二つ区別して図に書きます。
9.接弦定理は弧で確認する
接線と弦が作る角は、その弦に対する反対側の円周角に等しいです。 接線を含む角でも、対応する弧を見込む円周角へ置き換えられます。 どちら側の弧かを間違えないよう補助点を取ります。
10.複数の性質を連結する
円の問題は一つの公式で終わらず、円周角、直角、三角形の内角和を順につなぐことがあります。 分かった角を図へ逐次書き込むと、次に使える性質が見えます。 根拠を角ごとに短く記します。
11.円周角の頂点の位置を比べる
同じ弧を見込む円周角では、頂点が円周上のどこに移っても角の大きさは変わりません。図を見たときは、角の頂点ではなく二辺が円周と交わる二点に注目することが決定的です。二点がAとBなら、弧ABに対する角であると小さく書き添えると、別の弧との混同を防げます。 中心が頂点にある角だけは中心角であり、同じ弧でも大きさは円周角の二倍です。 角の二辺を延長して円周との交点を確認する,見込む弧の両端に同じ印を付ける,頂点が中心か円周上かを最初に判定する,同じ弧かどうかを言葉で説明してから式を書く
12.補助線は半径から考える
接線を含む問題で迷ったら、接点と中心を結ぶ半径を引くことが基本です。半径と接線が垂直になるため、直角三角形、二等辺三角形、円周角の関係へ問題を分解できます。補助線は何となく増やすのではなく、新しく使える直角や等しい半径を作る目的で引きます。 引いた線によってできた角が、もとの求める角とどうつながるかを図に書き込みます。 接点を明確にし、中心から線分を引く,半径どうしが等しいことも図に印を付ける,90°を書いて三角形の内角和へつなぐ,補助線を引いた理由を答案で説明する
13.この章の確認演習
円の角度問題は、求める角の二辺を延長し、見込む弧の両端を先に特定する練習から始める。中心角、円周角、接線の角を色分けし、同じ弧を見込む角だけを線で結ぶと、図が複雑でも関係を追える。接線が出たら中心と接点を結んで90°を書き、直径が出たら円周角90°を確認する。角度を求める各行には、半分、同じ弧、内角和などの根拠を添える。
14.復習の進め方
円の復習ノートは、中心角、円周角、接線、直径を別の記号で囲む形式にする。各角について「どの弧を見込むか」を書き、同じ弧の角だけを結ぶことで、公式の使い分けを視覚化する。接線問題では毎回半径を補助線に引き、90°を起点に解く手順を反復する。答えの数字より、弧と根拠を正しく説明できたかを採点基準にする。
15.仕上げの確認
仕上げ確認では、見込む弧、中心か円周か、直径、接点、補助線の直角を確認する。各角の値に短い根拠を書けるなら、図を正しく読めている。
③ 公式・用語
| 名称 | 内容 | メモ |
|---|---|---|
| 円周角 | 円周角=同じ弧の中心角÷2 | — |
| 同じ弧の円周角 | 等しい | — |
| 直径の円周角 | 90° | — |
| 内接四角形 | 対角の和=180° | — |
| 接線と半径 | 接点で垂直 | — |
| 二接線 | 同一点からの接線の長さは等しい | — |
用語集
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 中心 | 円の中心となる点 |
| 半径 | 中心から円周までの線分 |
| 弦 | 円周上の二点を結ぶ線分 |
| 弧 | 円周の一部分 |
| 中心角 | 中心を頂点とする角 |
| 円周角 | 円周上を頂点とする角 |
| 接線 | 円に一点だけで接する直線 |
| 接点 | 接線と円が接する点 |
④ 解法・読み方の手順
円周角問題の解き方
- 求める角の両辺を延長して弧の両端を確認する
- 同じ弧の中心角または円周角を探す
- 半分・等しい関係を使う
- 三角形や四角形の角の和で補う
接線問題の解き方
- 接点から中心へ半径を引く
- 半径と接線の直角を書く
- 円周角や二等辺三角形を探す
- 求める角を内角和で決める
⑤ 図解
A / \ B──O──C ∠BAC=90°(BCは直径)
接線
────T
⟂│ OT(半径)
O⑥ 例題(読んで流れを追う)
ここは「解く」より「途中式と根拠を追う」ための例です。演習は問題編で。
弧ABに対する中心角が120°である。弧ABに対する円周角を求めなさい。
考え方・途中式
円周角は同じ弧の中心角の半分。120÷2=60。
答え:60°
直径ABを見込む円周角∠ACBを求めなさい。
考え方・途中式
ABは直径なので中心角は180°。円周角はその半分で90°。
答え:90°
円に内接する四角形ABCDで∠A=72°である。∠Cを求めなさい。
考え方・途中式
内接四角形の対角の和は180°。∠C=180-72=108。
答え:108°
中心O、接点Tで接線lを引く。OTとlのなす角を求めなさい。
考え方・途中式
接線は接点を通る半径に垂直。したがって∠OTl=90°。
答え:90°
円周上のA,B,C,Dで、∠ACB=35°、∠ADBも弧ABを見込む。∠ADBを求めなさい。
考え方・途中式
∠ACBと∠ADBは同じ弧ABに対する円周角。よって等しく35°。
答え:35°
円OでABは直径、Cは円周上の点である。∠BAC=32°のとき∠ABCを求めなさい。
考え方・途中式
直径ABを見込む円周角∠ACBは90°である。三角形ABCの内角和は180°だから、∠ABC=180-90-32=58°。直径の円周角と三角形の内角和を順につなぐ。図の見た目で二等辺と決めない。
答え:58°
⑦ 入試・テストでの使い方
外部過去問(JS88・リセマム等)の使い分けは過去問・外部資料ガイドを参照。
- 円周角が見込む弧の両端に印を付ける
- 中心角か円周角か頂点で判定する
- 直径を見つけたら90°を書く
- 接線を見たら半径を補助線にする
- 角の根拠を図の横に書く
- 円は005net「円周角」発展問題で補助線の型を増やす。
- ⑤基本:ちびむす/手鏡 ⑥標準:005net例題 ⑦応用:JS88+本アプリ
- JS88数学過去問を50分×週1回
- 005net「入試対策数学総合」で総合力を確認
⑧ よくあるミス
- 中心角を半分にしない:円周角との関係を逆にする
- 異なる弧の角を等しいとする:両端を確認する
- 直径の円周角を180°とする:半分で90°
- 接線と弦を半径と混同する:接点へ半径を引く
- 内接四角形の隣角を補角にする:対角の和が180°
- 接点を通らない半径を引く:垂直の根拠にならない
- 図の大きさで判断する:性質を使う
- 弧の反対側を無視する:見込む弧を特定する
⑨ 理解チェック
口頭でもノートでもよいので、全部言えたら問題編へ。
- 弧と弦を区別できる
- 中心角を見つける
- 円周角を見つける
- 半分の関係を使う
- 同じ弧を判定する
- 直径の円周角を使う
- 内接四角形を使う
- 接線へ半径を引く
- 二接線の長さを使う
- 根拠を書ける