数学 第2章
平方根・二次方程式
要点編
平方根の計算と二次方程式の解法
ここは参考書パート(要点編)です。市販参考書と同じく「読んで理解 → 例題で流れを追う → チェック」の順で進めてください。理解チェックができたら問題編へ。
① この章のねらい
平方根は二乗の逆の考え方であり、二次方程式を解く基礎です。√aは正の平方根だけを表すことと、aの平方根は正負二つあることを区別します。二次方程式は、因数分解・平方根・解の公式から形に合う方法を選びます。求めた解は元の方程式で確かめます。
- 平方根と根号を区別する
- 根号を簡単にする
- 根号の加減乗除を行う
- 分母を有理化する
- 因数分解で二次方程式を解く
- 平方根の考えを使う
- 解の公式を使う
② 重要ポイント(本文)
1.平方根は二つある
x²=aとなるxをaの平方根といいます。 a>0なら平方根は√aと-√aの二つで、9の平方根は±3です。 ただし記号√9は正の値3だけを表します。
2.根号内を最も簡単にする
√12は√(4×3)=2√3と変形できます。 根号内から平方数を取り出すと、計算や大小比較がしやすくなります。 根号内に平方因数が残らない形まで整理します。
3.同類根号だけを加減する
2√3+5√3は7√3ですが、√2+√3はまとめられません。 文字式の同類項と同じく、根号内の数が同じかを見ます。 根号を先に簡単にしてから判定します。
4.根号の積と商を使う
a,bが0以上なら√a×√b=√(ab)です。 割り算では√a/√b=√(a/b)とできますが、分母に根号を残さないようにします。 条件として根号内が負にならないことも意識します。
5.有理化は分母を整数にする
1/√2には√2/√2を掛けて√2/2にします。 分子と分母に同じ0でない数を掛けるので値は変わりません。 分母がa+√bなら共役なa-√bを使います。
6.二次方程式は右辺を0にする
因数分解を使うにはax²+bx+c=0の形へ整理します。 積が0なら少なくとも一方の因数が0という性質を使えます。 等号の右に項を残したまま因数分解しません。
7.因数分解では二つの解を出す
(x-2)(x+3)=0ならx-2=0またはx+3=0です。 一方の因数だけを0とすると、もう一つの解を失います。 解はx=2,-3と列挙します。
8.平方根を取るときの±
x²=16からx=±4となります。 (x+2)²=9ならx+2=±3としてからxを求めます。 √16=4と方程式の解x=±4を混同しません。
9.解の公式は代入前の整理が重要
ax²+bx+c=0のa,b,cを符号付きで読み取ります。 特にbが負なら-bとb²の扱いを括弧で明確にします。 分母2a全体を一つのまとまりとして計算します。
10.判別式は解の見通しを与える
b²-4acが正なら異なる二解、0なら重解、負なら実数解をもちません。 中学では主に公式の根号内として計算します。 値が平方数なら解をさらに簡単にできます。
11.近似値で根号の大きさをつかむ
√2や√3のように整数にならない根号は、近くの平方数と比べて大きさを見積もれます。1²<2<2²なので1<√2<2となり、必要なら1.4²や1.5²を比べてさらに絞れます。根号を電卓の記号として扱わず、数直線上の数として位置を考えることが重要です。 大小比較では、両方が0以上なら二乗して比べる方法も使えます。 まず前後の整数の平方を並べる,小数近似を使っても根号の正確な形は残す,負の数との比較では数直線の左右を意識する,平方根と根号の記号の意味を区別して説明する
12.解の吟味で条件を守る
二次方程式を解いた後は、問題文に長さ、個数、時間などの条件がないか確認します。方程式としては二つの解が出ても、長さなら負の値を採用できない場合があります。これは解を勝手に捨てる操作ではなく、求める数量の意味に照らして答えを選ぶ作業です。 ただし方程式だけを解けという設問では、条件がない限り二つの解を両方書きます。 解を元の方程式に代入して確かめる,問題文の単位と数量の意味を読み直す,二つの解が同じになる重解も一つの値として確認する,不要な解を除く理由を答案に短く書く
13.この章の確認演習
根号計算の練習では、簡単化、加減、有理化、二次方程式を別々に終えず、一題の中で連続して扱う。√48を4√3へ直した理由を平方因数で説明し、分母の根号を消すときは掛けた式を分子・分母の両方に明記する。二次方程式では因数分解できるかを先に見て、できなければ公式へ進み、a,b,cの符号を枠で囲む。最後は求めた二解を代入し、文章題なら数量条件に合うかまで確認する。
14.復習の進め方
平方根と二次方程式は、計算の型を選ぶ練習が重要である。根号の簡単化、有理化、因数分解、平方根、解の公式を混ぜた問題を並べ、最初の一行に選んだ方法を書く。間違えた問題は答えを覚えるのでなく、どの形ならどの方法を選ぶかをカードにまとめる。週の終わりに文章題を一題解き、解の吟味までできるか確認する。
15.仕上げの確認
仕上げ確認では、根号内の平方因数、分母の根号、±、解の個数、問題の数量条件を確認する。公式へ代入した係数の符号を括弧付きで見直す。
③ 公式・用語
| 名称 | 内容 | メモ |
|---|---|---|
| 平方根 | x²=a → x=±√a | — |
| 根号の積 | √a√b=√(ab) | — |
| 根号の商 | √a/√b=√(a/b) | — |
| 有理化 | 1/√a=√a/a | — |
| 解の公式 | x=(-b±√(b²-4ac))/(2a) | — |
| 平方完成型 | (x+p)²=q → x=-p±√q | — |
用語集
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 平方根 | 二乗すると元の数になる数 |
| 根号 | 正の平方根を表す記号 |
| 被開平数 | √の中の数 |
| 有理化 | 分母の根号をなくすこと |
| 二次方程式 | 二次式を含む方程式 |
| 解 | 方程式を成り立たせる値 |
| 解の公式 | 二次方程式を解く一般式 |
| 判別式 | 公式の根号内b²-4ac |
④ 解法・読み方の手順
二次方程式の解法選択
- 右辺を0にして整理する
- 因数分解できるか見る
- x²や平方の形なら平方根を取る
- 難しければ解の公式を使う
- 全ての解を代入して確かめる
根号計算の手順
- 根号内を因数分解する
- 平方数を外へ出す
- 同類根号をまとめる
- 分母に根号があれば有理化する
⑤ 図解
x²=9 x=3 または x=-3 「√9=3」と区別する
x²-5x+6=0 (x-2)(x-3)=0 x=2,3
⑥ 例題(読んで流れを追う)
ここは「解く」より「途中式と根拠を追う」ための例です。演習は問題編で。
√75を簡単にしなさい。
考え方・途中式
√75=√(25×3)=√25×√3=5√3。25を根号の外へ出す。
答え:5√3
3√2+2√8を計算しなさい。
考え方・途中式
√8=2√2。3√2+2×2√2=3√2+4√2=7√2。
答え:7√2
x²-9=0を解きなさい。
考え方・途中式
x²=9。x=±√9=±3よりx=3,-3。
答え:x=3,-3
x²-5x+6=0を解きなさい。
考え方・途中式
(x-2)(x-3)=0。よってx-2=0またはx-3=0。
答え:x=2,3
2x²+x-3=0を解きなさい。
考え方・途中式
a=2,b=1,c=-3。x=(-1±√(1-4×2×-3))/4=(-1±5)/4より1,-3/2。
答え:x=1,-3/2
縦がxcm、横がx+1cmの長方形の面積が12cm²である。xを求めなさい。
考え方・途中式
面積よりx(x+1)=12。x²+x-12=0と整理する。積が-12、和が1となる4と-3を使い、(x+4)(x-3)=0。x=-4,3のうち長さなので正のx=3を採用する。
答え:x=3
⑦ 入試・テストでの使い方
外部過去問(JS88・リセマム等)の使い分けは過去問・外部資料ガイドを参照。
- √の意味を言葉で確認してから式を書く
- 根号内を先に簡単にする
- 二次方程式は必ず右辺0へ整理する
- 因数分解は積が0の形へつなぐ
- 公式のa,b,cには符号ごと代入する
- 平方根・二次方程式は005net「方程式」例題とJS88数学を交互に。
- ⑤基本:ちびむす/手鏡 ⑥標準:005net例題 ⑦応用:JS88+本アプリ
- JS88数学過去問を50分×週1回
- 005net「入試対策数学総合」で総合力を確認
⑧ よくあるミス
- √9を±3とする:√は正の平方根
- √a+√bを√(a+b)にする:加法には使えない
- 分母だけに根号を掛ける:値が変わる
- 解を一つだけ書く:二次方程式は二解が多い
- x²=9からx=3だけにする:負の解もある
- bの符号を落とす:公式の結果が変わる
- 分母の2aを忘れる:公式の一部である
- 検算しない:余分な解や計算ミスを見逃す
⑨ 理解チェック
口頭でもノートでもよいので、全部言えたら問題編へ。
- 平方根と√を区別できる
- 根号を簡単にできる
- 同類根号を判別できる
- 有理化できる
- 方程式を0の形にできる
- 積が0の性質を使える
- ±を付けられる
- 公式へ代入できる
- 二解を列挙できる
- 元の式で検算できる