国語 第5章
漢字
要点編
読み・書き取り・同音異義の実戦
ここは参考書パート(要点編)です。市販参考書と同じく「読んで理解 → 例題で流れを追う → チェック」の順で進めてください。理解チェックができたら問題編へ。
① この章のねらい
漢字は形・音・意味を熟語の中で結び付けて覚える。読みは音読みと訓読み、書きは送り仮名・部首・同音異義語を意識する。文脈から語の意味を取り、正しい字を選ぶ力が必要である。書いた後に意味と字形を確認すると誤字が減る。
- 音訓を区別できる
- 熟語で読みを覚えられる
- 送り仮名を書ける
- 同音異義語を使い分けられる
- 同訓異義語を選べる
- 部首を手がかりにできる
- 慣用句を理解できる
② 重要ポイント(本文)
1.漢字は熟語で覚える
漢字一字だけを覚えると、読み方や使い方を誤りやすい。「公開」「後悔」のように熟語と意味を組にする。例文を書いて使う場面まで覚えると、書き取りで選べるようになる。
2.音読みと訓読みの傾向
「学校」「文化」など漢語の熟語では音読みが中心になる。「山道」「手紙」など和語では訓読みが多い。例外もあるため、規則だけで決めず実際の熟語で確認する。
3.送り仮名は活用を表す
「深い」の「い」、「深まる」の「まる」は活用する部分である。語幹と活用語尾を分けて考えると、送り仮名を落としにくい。活用する語を名詞のように書かない。
4.同音異義は意味で選ぶ
「会議をこうかいする」は、多くの人に見せる意味なので「公開」である。過去の行為を悔やむ「後悔」とは文脈が異なる。発音ではなく、文中で果たす意味を先に言葉にする。
5.同訓異義は対象を見る
「暑い」は気温、「熱い」は温度、「厚い」は物の厚さを表す。読みが同じでも、何の性質を言っているかで漢字が変わる。対象となる名詞と結び付けて覚える。
6.部首は意味の手がかり
さんずいを持つ字には水や液体に関係するものが多い。にんべんは人の動作・性質に関係する字でよく使われる。部首だけで意味を決めず、字形を思い出す補助にする。
7.形声文字の仕組み
形声文字は、意味を示す部分と音を示す部分からできている。「清」はさんずいが水の意味、「青」が音の手がかりになる。似た構造の字を比べると、読みと形を結びやすい。
8.熟字訓をまとめて覚える
「大人」を「おとな」と読むように、熟語全体に特別な読みを当てるものがある。一字ずつ通常の音訓に分けて読めない。意味と表記をセットにして反復する。
9.四字熟語は構成を取る
「温故知新」は、古い事柄を学び新しい知識を得るという意味である。前半と後半の語の関係を理解すると、一字だけの書き誤りを防げる。意味を言えない四字熟語は書けても定着しない。
10.慣用句は比喩を含む
「耳が痛い」は、聞きたくないほど自分にとってつらい忠告を表す。身体の実際の痛みとして読むと意味が通らない。使われる場面を想像し、短い例文で覚える。
11.書き取りは意味から始める
問題文を読み、空欄に入る語の意味を先に確認する。その後で対応する熟語と漢字を思い出して書く。書いた字を見て、同音異義語に入れ替えても意味が通らないか点検する。
12.字形は部分ごとに点検する
誤字は、はね・はらいより部首や構成部分の欠落で起こりやすい。書いた後に左右・上下の部品と画数の目安を見る。似た字と比べ、区別する部分を意識して直す。
13.部首で意味のまとまりをつかむ
同じ部首の漢字は、意味の傾向が近いことが多い。へん・つくり・かんむりを意識して覚えると、初見の熟語でも意味を推測しやすい。似た字形の区別も、意味を担う部首の違いから行う。書き取りでは、部首の画数を先に確定してから残りの部分を書く。意味と字形を別々に覚えるより、セットで覚える方が忘れにくい。
14.熟語の構成を四分類で見る
修飾関係、反対・対義、同類の並列、主述関係などに分けると、未知の熟語も読み解ける。上の字が下の字を限定するのか、対等に並ぶのかを最初に判断する。構成が分かると、読みのアクセントや意味の取り違えが減る。問題で構成を問われなくても、意味説明の下書きとして使える。例を自分で作り、分類名を言えるようにする。
15.送り仮名のルールを守る
送り仮名は活用や意味の違いを示す重要な情報である。「行う/行なう」など許容がある語もあるが、問題の指定や教科書の表記に合わせる。動詞の送り仮名を落とすと、別語に見えることがある。読み問題でも、送り仮名を手がかりに品詞や意味を判断する。覚えるときは、漢字だけより短い文で書いて定着させる。
16.同音異義は目的語で決める
「会う・合う・遭う」や「帰る・変える」などは、目的語や状況で漢字が決まる。音だけで選ばず、「誰に/何が/どんな出来事か」を確認する。熟語の一部として出る場合は、熟語全体の意味から逆算する。誤変換しやすい語は、自分用の対比表を作る。テスト前は、間違えやすい組だけを集中的に書き分ける。
17.対義語・類義語で意味の輪郭を取る
「前進」に対する「後退」、「公開」に近い「発表」のように、反対語や近い語を並べると、漢字の意味の境界が見える。書き取りで迷ったときは、反対の意味を言うと正しい字が浮かぶことがある。類義語は使い分けの条件まで確認する。ノートには「語→意味→対義/類義→例文」の四項目で残す。入試の語句問題でも、この対比が選択肢の根拠になる。
18.誤変換しやすい語をリスト化する
「必須/必然」「改正/改訂」「収集/収拾」のように、意味は近いが字が違う語は得点源であり失点源でもある。自分の誤答履歴だけを一枚にまとめ、毎週書き直す。辞書で意味差を一文に要約し、例文を自分で作る。テスト直前は全漢字ではなく、このリストを優先する。意味差が言えない語は、まだ定着していないと判断する。
19.読み分けは品詞と文脈で決める
「楽」は「たのしい」「らく」など、文中の品詞や意味で読みが変わる。漢字の読み問題では、前後の送り仮名と文の意味を先に取る。音訓の切り替えも、熟語か和語かを見て判断する。複数の読みがある字は、代表的な熟語を二つ以上セットで覚える。読みを一つしか知らない字は、別の文脈で落とされやすい。
20.筆順と字形は「止まる位置」で点検する
同じ画数でも、どの線が上に来るか、どこで止めるかで別字に見える。特に「士/土」「未/末」「日/曰」はわずかな差が意味を変える。書いた後に拡大して、交差の位置とはらいの方向を見る。プリント学習だけでは筆圧と止めが身に付かないため、短い時間でも手書き練習を入れる。誤字を直すときは、正しい字を三回続けて書いてから別の語へ移る。
③ 公式・用語
| 名称 | 内容 | メモ |
|---|---|---|
| 送り仮名 | 語幹 + 活用語尾:深い、深まる | 活用する部分を送る。 |
| 同音異義 | 意味 → 熟語 → 漢字 | 音だけで選ばない。 |
| 同訓異義 | 対象の性質で選ぶ:暑い/熱い/厚い | 文脈を使う。 |
用語集
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 音読み | 漢字音に基づく読み |
| 訓読み | 日本語の意味に対応する読み |
| 熟語 | 二字以上の漢字による語 |
| 送り仮名 | 漢字に続ける仮名 |
| 同音異義語 | 同音で意味が異なる語 |
| 同訓異義語 | 同じ訓で漢字が異なる語 |
| 部首 | 漢字を分類する部分 |
| 形声文字 | 意味符と音符から成る漢字 |
④ 解法・読み方の手順
漢字学習
- 意味・読み・熟語を記録する
- 見ないで書く
- 誤字を翌日に再テストする
書き取り
- 文脈の意味を言う
- 熟語を思い出す
- 字形を確認する
章末の定着確認
- この章の重要語を三つ声に出す。
- 例題のうち一題を、答えを見ずに根拠から再現する。
- 誤答しやすいポイントを一つノートに残す。
⑤ 図解
意味(さんずい=水)+音(青)→ 清
「あつい」→ 気温=暑い/温度=熱い/厚さ=厚い
⑥ 例題(読んで流れを追う)
ここは「解く」より「途中式と根拠を追う」ための例です。演習は問題編で。
「学校」の読みを答えなさい。
考え方・途中式
二字の漢語なので音読みを組み合わせる。「がくこう」ではなく促音化して読む。
答え:がっこう
「深い」の送り仮名を答えなさい。
考え方・途中式
「深」は語幹で、「い」は形容詞の活用語尾である。活用部分を送り仮名にする。
答え:深い
「会議をこうかいする」の漢字を書きなさい。
考え方・途中式
会議内容を広く見せる意味なので公開である。悔やむ意味の後悔は文脈に合わない。
答え:公開する
「あついスープ」の漢字を書きなさい。
考え方・途中式
スープは温度が高い対象である。気温なら暑い、物の厚みなら厚いを使う。
答え:熱い
「温故知新」の意味を答えなさい。
考え方・途中式
温故は古きを学ぶこと、知新は新しきを知ることを表す。前半と後半をつないで意味を取る。
答え:古い事柄を学び、そこから新しい知識や道理を得ること。
次の文の空欄に合う漢字を書きなさい。「事故の現場を(シュウシュウ)して、状況を整理した。」
考え方・途中式
混乱した状況をまとめる意味なので収拾である。物を集める収集とは区別する。
答え:収拾
⑦ 入試・テストでの使い方
外部過去問(JS88・リセマム等)の使い分けは過去問・外部資料ガイドを参照。
- 熟語単位で覚える
- 意味を言ってから書く
- 送り仮名を確認する
- 同音異義語と比べる
- 部首を点検する
- 設問の問い方(なぜ/どういうこと/効果)を先に確定してから本文へ戻る。
- ちびむす漢字テストは補助。本番で単独大問が軽い年度も。
- ⑤基本:005net古典・用語 ⑥標準:リセマム読解 ⑦応用:本アプリ
- リセマム大阪国語で長文量に慣れる(JS88に国語なし)
- 005net古典読解で古文の基本
⑧ よくあるミス
- 音だけで選ぶ
- 送り仮名を省く
- 暑いと熱いを混同する
- 部首を書き落とす
- 似た字を同じとする
- 一字だけで暗記する
- 四字熟語を一字誤る
- 意味を確認しない
⑨ 理解チェック
口頭でもノートでもよいので、全部言えたら問題編へ。
- 読みを熟語で確認した
- 意味を言える
- 音訓を確かめた
- 送り仮名を見た
- 同音異義語と比べた
- 対象を確認した
- 部首を見た
- 字形を点検した
- 慣用句を理解した
- 文脈に合う
- 追加ポイントの内容を自分の言葉で説明できる