国語 第5章
漢字
要点編
【既習/完成/最低50問】読み・書き・同音異義。
① この章のねらい
漢字は形・音・意味を熟語の中で結び付けて覚える。読みは音読みと訓読み、書きは送り仮名・部首・同音異義語を意識します。文脈から語の意味を取り、正しい字を選ぶ力が必要です。書いた後に意味と字形を確認すると誤字が減る。
- 音訓を区別できる
- 熟語で読みを覚えられる
- 送り仮名を書ける
- 同音異義語を使い分けられる
- 同訓異義語を選べる
- 部首を手がかりにできる
- 慣用句を理解できる
② 図と説明
下の図を順に見てください。各図の下に、その図の読み方を書いてあります。
図 1. 読み・書き・同音

文脈で漢字を選ぶ。図では、矢印の始点と終点、色分け、並び順を順に追い、本文のどの判断に対応するか確認する。
漢字は熟語で覚える
漢字一字だけを覚えると、読み方や使い方を誤りやすい。「公開」「後悔」のように熟語と意味を組にします。例文を書いて使う場面まで覚えると、書き取りで選べるようになります。誤概念は一字ずつバラバラにだけ覚えること。例:説得・議論のように熟語単位で音と意味をセットにします。入試の書き取りは熟語文脈がほとんどです。
図 2. 同音異義

意味の違いを文で決める。図では、矢印の始点と終点、色分け、並び順を順に追い、本文のどの判断に対応するか確認する。
音読みと訓読みの傾向
「学校」「文化」など漢語の熟語では音読みが中心になります。「山道」「手紙」など和語では訓読みが多い。例外もあるため、規則だけで決めず実際の熟語で確認します。誤概念は音訓をランダムに付け替えること。例:熟語は音、単独の和語は訓が多い。入試では読み分け(一行=いっこう/いちぎょう)も出る。
図 3. 部首のヒント

部首から意味の手がかり。図では、矢印の始点と終点、色分け、並び順を順に追い、本文のどの判断に対応するか確認する。
送り仮名は活用を表す
「深い」の「い」、「深まる」の「まる」は活用する部分です。語幹と活用語尾を分けて考えると、送り仮名を落としにくい。活用する語を名詞のように書かない。誤概念は熟語にも送り仮名を付けること。例:美しいは送りあり、妥当は送りなし。入試の書き取りでは送り仮名の過不足が減点になります。熟語に送りを付けないよう注意します。
③ 続きの説明
4. 同音異義は意味で選ぶ
発音だけで漢字を決めない。文脈の意味→熟語→漢字の順。例:「会議をこうかいする」=広く見せる→公開。「こうかいの念」=悔やむ→後悔。「現場をシュウシュウ」=混乱をまとめる→収拾(収集ではない)。目的語や状況で意味を先に言葉にしてから書く。誤概念は読みが同じならどの漢字でもよいとすること。例:機構=しくみ、気候=気象。入試では文脈選択の同音異義が頻出します。
5. 同訓異義は対象を見る
「暑い」は気温、「熱い」は温度、「厚い」は物の厚さを表す。読みが同じでも、何の性質を言っているかで漢字が変わる。対象となる名詞と結び付けて覚える。誤概念は訓が同じ漢字を文脈無視で使うこと。例:早い(時間)と速い(速度)。入試の書き取りは前後の語で対象を判定させる。前後の目的語・主語で漢字を決める。
6. 部首は意味の手がかり
さんずいを持つ字には水や液体に関係するものが多い。にんべんは人の動作・性質に関係する字でよく使われます。部首だけで意味を決めず、字形を思い出す補助にします。誤概念は部首を字形の飾りと無視すること。例:言偏は言葉・議論に関わる。入試では意味推測や誤字指摘に部首知識が効く。偏旁を分けて意味を推測します。
7. 形声文字の仕組み
形声文字は、意味を示す部分と音を示す部分からできています。「清」はさんずいが水の意味、「青」が音の手がかりになります。似た構造の字を比べると、読みと形を結びやすい。誤概念は漢字全体を象形だけで覚えること。例:形を表す部分と音を表す部分に分ける。入試では読みの手がかりとして形声を使う問題があります。
8. 熟字訓をまとめて覚える
「大人」を「おとな」と読むように、熟語全体に特別な読みを当てるものがあります。一字ずつ通常の音訓に分けて読めない。意味と表記をセットにして反復します。誤概念は一字ずつの音訓で熟字訓を読もうとすること。例:今日=きょう。入試では特別な読みの書き取り・読みが狙われます。一字訓の足し算で読まない。
9. 四字熟語は構成を取る
「温故知新」は、古い事柄を学び新しい知識を得るという意味です。前半と後半の語の関係を理解すると、一字だけの書き誤りを防げる。意味を言えない四字熟語は書けても定着しない。誤概念は四字を丸暗記だけで意味を説明できないこと。例:前後の対や修飾関係で意味を分解します。入試では意味説明や空所の熟語指定が出る。
10. 慣用句は比喩を含む
「耳が痛い」は、聞きたくないほど自分にとってつらい忠告を表す。身体の実際の痛みとして読むと意味が通らない。使われる場面を想像し、短い例文で覚える。誤概念は慣用句を字義どおりに訳すこと。例:足を洗う=悪いことから手を引く。入試では本文中の慣用句の意味択一が定番です。字義訳は不自然な答案になります。
11. 書き取りは意味から始める
問題文を読み、空欄に入る語の意味を先に確認します。その後で対応する熟語と漢字を思い出して書く。書いた字を見て、同音異義語に入れ替えても意味が通らないか点検します。誤概念は音だけで漢字を当てること。例:セイコウ→成功か精巧かを文意で決める。入試では同音の誤字が最も多い失点原因です。同音の別漢字を文意で排除します。
12. 字形は部分ごとに点検する
誤字は、はね・はらいより部首や構成部分の欠落で起こりやすい。書いた後に左右・上下の部品と画数の目安を見る。似た字と比べ、区別する部分を意識して直す。誤概念はだいたい合っていればよいとすること。例:旁と偏を分けて画数・形を確認します。入試の手書きでは細部の誤りが不正解になります。だいたい合いは不正解になります。
13. 同音異義は文脈カードで決める
同音異義語は、音カードではなく意味カードで選ぶ。「こうかい」なら公開/航海/後悔、「収拾/収集」なら混乱をまとめるか物を集めるか。書き取りでは空欄の前後の目的語・結果を先に一文で言い、その後で漢字を書く。誤概念は読みが同じ漢字を感覚で選ぶこと。例:ホショウを保証・保障・補償の意味カードで分ける。入試の同音書き分けは文脈が唯一の根拠です。
14. 部首で意味のまとまりをつかむ
同じ部首の漢字は、意味の傾向が近いことが多い。へん・つくり・かんむりを意識して覚えると、初見の熟語でも意味を推測しやすい。似た字形の区別も、意味を担う部首の違いから行う。書き取りでは、部首の画数を先に確定してから残りの部分を書く。意味と字形を別々に覚えるより、セットで覚える方が忘れにくい。
15. 熟語の構成を四分類で見る
修飾関係、反対・対義、同類の並列、主述関係などに分けると、未知の熟語も読み解ける。上の字が下の字を限定するのか、対等に並ぶのかを最初に判断します。構成が分かると、読みのアクセントや意味の取り違えが減る。問題で構成を問われなくても、意味説明の下書きとして使える。例を自分で作り、分類名を言えるようにします。
16. 送り仮名のルールを守る
送り仮名は活用や意味の違いを示す重要な情報です。「行う/行なう」など許容がある語もあるが、問題の指定や教科書の表記に合わせる。動詞の送り仮名を落とすと、別語に見えることがあります。読み問題でも、送り仮名を手がかりに品詞や意味を判断します。覚えるときは、漢字だけより短い文で書いて定着させる。
17. 同音異義は目的語で決める
「会う・合う・遭う」や「帰る・変える」などは、目的語や状況で漢字が決まる。音だけで選ばず、「誰に/何が/どんな出来事か」を確認します。熟語の一部として出る場合は、熟語全体の意味から逆算します。誤変換しやすい語は、自分用の対比表を作る。テスト前は、間違えやすい組だけを集中的に書き分ける。
18. 対義語・類義語で意味の輪郭を取る
「前進」に対する「後退」、「公開」に近い「発表」のように、反対語や近い語を並べると、漢字の意味の境界が見える。書き取りで迷ったときは、反対の意味を言うと正しい字が浮かぶことがあります。類義語は使い分けの条件まで確認します。ノートには「語→意味→対義/類義→例文」の四項目で残す。入試の語句問題でも、この対比が選択肢の根拠になります。
19. 誤変換しやすい語をリスト化する
「必須/必然」「改正/改訂」「収集/収拾」のように、意味は近いが字が違う語は得点源であり失点源でもあります。自分の誤答履歴だけを一枚にまとめ、毎週書き直す。辞書で意味差を一文に要約し、例文を自分で作る。テスト直前は全漢字ではなく、このリストを優先します。意味差が言えない語は、まだ定着していないと判断します。
20. 読み分けは品詞と文脈で決める
「楽」は「たのしい」「らく」など、文中の品詞や意味で読みが変わる。漢字の読み問題では、前後の送り仮名と文の意味を先に取る。音訓の切り替えも、熟語か和語かを見て判断します。複数の読みがある字は、代表的な熟語を二つ以上セットで覚える。読みを一つしか知らない字は、別の文脈で落とされやすい。
21. 筆順と字形は「止まる位置」で点検する
同じ画数でも、どの線が上に来るか、どこで止めるかで別字に見える。特に「士/土」「未/末」「日/曰」はわずかな差が意味を変える。書いた後に拡大して、交差の位置とはらいの方向を見る。プリント学習だけでは筆圧と止めが身に付かないため、短い時間でも手書き練習を入れます。誤字を直すときは、正しい字を三回続けて書いてから別の語へ移る。
受験で押さえる(この章)
漢字は読み↔字↔意味、同音は場面で切る。古典は接続→意味の順。暗記リストを眺めるだけで終わらせない。
必暗この章で回す漢字(読み)
左の字を見て右の読みを言う。一字ずつでなく、熟語の意味が通るかも点検する。
必暗この章で回す漢字(書き)
左の読みから右の漢字へ。音だけで当てず、意味もセットで言う。
覚え方同音異義の切り方
同じ読みでも漢字が違う。左の読みに対し、右で「どの漢字=どの意味か」を対比して決める。
必暗慣用句・四字熟語
字義どおりに記さない。場面を一文で言ってから意味を言う。
- 高をくくるあなどる
- 棚からぼた餅思いがけない幸運
- 泣きっ面に蜂不幸が重なる
- 二階から目薬効果が薄い
- 猫に小判価値がわからない者には無駄
- 能ある鷹は爪を隠す実力者はひけらかさない
- 歯に衣着せぬ遠慮なく言う
- 破竹の勢い勢いが激しい
- 進退窮まるどうしようもなくなる
- 正々堂々公正に堂々と
- 青天の霹靂突然の出来事
- 前途多難これから困難が多い
- 全身全霊全力を注ぐ
- 創業守成始めるより守るが難しい
- 大器晩成大成に時間がかかる
- 大同小異ほぼ同じ
戦い方国語の戦い方
漢字・語句を先に片付け、読解は設問の問い方を先に確定する。
- 手順漢字・語句を先に片付け、失点を止める
- 手順読解は設問の問い方(なぜ/どういうこと)を先に確定してから本文へ
- 手順記述は字数と「誰の/何について」を先に枠取りし、本文の語句で埋める
- 手順見直しは漢字の同音異義と、記述の条件漏れだけに絞る
- 手順毎日15分:学習中の単元の「受験で押さえる」を音読+書き
- 手順毎日30〜50分:弱点単元の⑤⑥または⑦を1セット
- 手順近い用語・近い年代・近い数値の取り違え
- 手順問題文の一部だけ合っていて結論がずれる選択肢
⑤ 公式・用語
| 名称 | 内容 | メモ |
|---|---|---|
| 送り仮名 | 語幹 + 活用語尾:深い、深まる | 活用する部分を送る。 |
| 同音異義 | 意味 → 熟語 → 漢字 | 音だけで選ばない。 |
| 同訓異義 | 対象の性質で選ぶ:暑い/熱い/厚い | 文脈を使う。 |
用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 音読み | 漢字音に基づく読み |
| 訓読み | 日本語の意味に対応する読み |
| 熟語 | 二字以上の漢字による語 |
| 送り仮名 | 漢字に続ける仮名 |
| 同音異義語 | 同音で意味が異なる語 |
| 同訓異義語 | 同じ訓で漢字が異なる語 |
| 部首 | 漢字を分類する部分 |
| 形声文字 | 意味符と音符から成る漢字 |
⑥ 手順
漢字学習
- 意味・読み・熟語を記録する
- 見ないで書く
- 誤字を翌日に再テストする
書き取り
- 文脈の意味を言う
- 熟語を思い出す
- 字形を確認する
章末の定着確認
- この章の重要語を三つ声に出す。
- 例題のうち一題を、答えを見ずに根拠から再現します。
- 誤答しやすいポイントを一つノートに残す。
⑦ 例題
途中の考え方を追うための例です。演習は問題編で行います。
「学校」の読みを答えなさい。
考え方
二字の漢語なので音読みを組み合わせる。「がくこう」ではなく促音化して読む。①まず設問が何を問うかと条件語に印を付けます。②次に文・本文・語形のどこが答えの根拠かを対応させ、途中の判断を一つずつ説明します。③最後に主語、時制、条件、因果関係が問題文と矛盾しないかを検算し、似た選択肢を除いて答えを確定します。
答え:がっこう
「深い」の送り仮名を答えなさい。
考え方
「深」は語幹で、「い」は形容詞の活用語尾です。活用部分を送り仮名にします。①まず設問が何を問うかと条件語に印を付けます。②次に文・本文・語形のどこが答えの根拠かを対応させ、途中の判断を一つずつ説明します。③最後に主語、時制、条件、因果関係が問題文と矛盾しないかを検算し、似た選択肢を除いて答えを確定します。
答え:深い
「会議をこうかいする」の漢字を書きなさい。
考え方
会議内容を広く見せる意味なので公開です。悔やむ意味の後悔は文脈に合わない。①まず設問が何を問うかと条件語に印を付けます。②次に文・本文・語形のどこが答えの根拠かを対応させ、途中の判断を一つずつ説明します。③最後に主語、時制、条件、因果関係が問題文と矛盾しないかを検算し、似た選択肢を除いて答えを確定します。
答え:公開する
「あついスープ」の漢字を書きなさい。
考え方
スープは温度が高い対象です。気温なら暑い、物の厚みなら厚いを使う。①まず設問が何を問うかと条件語に印を付けます。②次に文・本文・語形のどこが答えの根拠かを対応させ、途中の判断を一つずつ説明します。③最後に主語、時制、条件、因果関係が問題文と矛盾しないかを検算し、似た選択肢を除いて答えを確定します。
答え:熱い
「温故知新」の意味を答えなさい。
考え方
温故は古きを学ぶこと、知新は新しきを知ることを表す。前半と後半をつないで意味を取る。①まず設問が何を問うかと条件語に印を付けます。②次に文・本文・語形のどこが答えの根拠かを対応させ、途中の判断を一つずつ説明します。③最後に主語、時制、条件、因果関係が問題文と矛盾しないかを検算し、似た選択肢を除いて答えを確定します。
答え:古い事柄を学び、そこから新しい知識や道理を得ること。
次の文の空欄に合う漢字を書きなさい。「事故の現場を(シュウシュウ)して、状況を整理した。」
考え方
混乱した状況をまとめる意味なので収拾です。物を集める収集とは区別します。①まず設問が何を問うかと条件語に印を付けます。②次に文・本文・語形のどこが答えの根拠かを対応させ、途中の判断を一つずつ説明します。③最後に主語、時制、条件、因果関係が問題文と矛盾しないかを検算し、似た選択肢を除いて答えを確定します。
答え:収拾
⑧ 入試での使われ方
- 熟語単位で覚える
- 意味を言ってから書く
- 送り仮名を確認する
- 同音異義語と比べる
- 部首を点検する
- 設問の問い方(なぜ/どういうこと/効果)を先に確定してから本文へ戻る。
- ⑤基本:暗記パック漢字・語句 ⑥標準:リセマムB読解+言語事項 ⑦応用:本アプリ記述(C帯の字数・根拠密度)
- 本アプリ /exam-ready の漢字・慣用・四字を先に固めて失点を減らす
⑨ よくある誤り
- 音だけで選ぶ
- 送り仮名を省く
- 暑いと熱いを混同する
- 部首を書き落とす
- 似た字を同じとする
- 一字だけで暗記する
- 四字熟語を一字誤る
- 意味を確認しない
⑩ 確認
次ができたら問題編へ進んでください。
- 読みを熟語で確認した
- 意味を言える
- 音訓を確かめた
- 送り仮名を見た
- 同音異義語と比べた
- 対象を確認した
- 部首を見た
- 字形を点検した
- 慣用句を理解した
- 文脈に合う
- 追加ポイントの内容を自分の言葉で説明できる