国語 第1章
説明文読解
要点編
【既習/完成/最低25問】要旨・指示語・構成。
① この章のねらい
説明文は、筆者が事実や具体例を使って考えを伝える文章です。段落ごとの役割と、文どうしを結ぶ接続語を押さえると論理が見える。設問の答えは本文にあるので、傍線部だけで判断せず段落全体を読む。要旨は具体例を捨て、筆者の結論を中心にまとめる。
- 段落の役割を説明できる
- 主張と具体例を区別できる
- 接続語から論理関係を読める
- 指示語の内容を特定できる
- 因果関係を整理できる
- 対比を説明できる
- 要旨をまとめられる
② 図と説明
下の図を順に見てください。各図の下に、その図の読み方を書いてあります。
図 1. 説明文の構成

序論・本論・結論。図では、矢印の始点と終点、色分け、並び順を順に追い、本文のどの判断に対応するか確認する。
段落には役割がある(話題→結論→根拠)
説明文はまず話題→結論(主張)→根拠の3行テンプレで読む。構造よみでは序論(緑)・本論(青)・結論(紫)に切り、なかを並列型/展開型に下位分割します。各段落を十字程度で要約し、「何のための段落か」を先に決める。形式段落=意味段落の1:1とは限らない。誤概念は形式段落=意味段落の1対1とすること。例:二つの形式段落が一つの根拠段落をなす場合があります。入試では「何のための段落か」を先に書かせる設問が出る。
図 2. 主張・事実・具体例

どれが筆者の主張か。図では、矢印の始点と終点、色分け、並び順を順に追い、本文のどの判断に対応するか確認する。
中心文を探す
段落の中心文は、最初に話題を示す文か、最後にまとめる文に置かれやすい。ただし位置だけで決めず、ほかの文がその文を説明しているかを確かめる。具体例を除いても残る文が中心文です。誤概念は段落の最初の文を必ず中心文とすること。例:具体例を除いても残る一般論が中心文。入試では中心文の言い換え選択肢が並び、位置だけで選ぶと落とされます。
図 3. 因果・逆接・対比

接続の印で論理を追う。図では、矢印の始点と終点、色分け、並び順を順に追い、本文のどの判断に対応するか確認する。
主張と事実を分ける
「〜と考える」「〜すべきだ」は筆者の主張を示す表現です。調査結果や出来事は、主張を支える事実・資料として扱う。事実を答える設問で筆者の意見を書かないよう、文末表現まで読む。誤概念は調査結果を筆者の主張そのものとすること。例:「〜と考える」は主張、数値は根拠の事実。入試では「筆者の考え」と「資料の内容」を取り違える選択肢が定番です。
③ 続きの説明
4. 具体例の働きを読む
「たとえば」「実際に」の後には、主張を分かりやすくする個別の事例が置かれます。例に出た一部の人や物を、文章全体の結論と取り違えてはいけない。その例が何を証明・説明しているかを直前の一般論に戻って考える。誤概念は例の細部を要旨にすること。例:「たとえば」の後は主張を分かりやすくする個別事例。入試の要旨問題では例を抽象化した一般論を選ばせる。
5. 逆接は後ろが重点
「しかし」「ところが」「一方で」は、前後の内容を反対向きにつなぐ。筆者が本当に言いたいことは、予想を裏切る後半に置かれやすい。前半を消すのではなく、両者を比べたうえで後半の意味を取る。誤概念は逆接の前だけを読んで結論にすること。例:しかしの後に筆者の本意が来る。入試では逆接前後の対比を説明させる記述が多い。
6. 因果を矢印にする
「なぜなら」の後は理由、「だから」「そのため」の後は結果です。理由と結果を矢印で結ぶと、記述問題で問われた部分を取り違えない。複数の理由がある場合は、結論に直接つながるものを選ぶ。誤概念は結果を原因として答えること。例:だから・そのため・なぜならで矢印の向きを確認します。入試の理由説明では原因側を本文から抜き出す。
7. 指示語の範囲を決める
「これ」「そのこと」は直前の名詞一語ではなく、前の一文や段落の内容全体を指すことがあります。指示語を別の語句に置き換えて文が自然かを試す。答えは「〜ということ」の形にして内容を不足なく示す。誤概念はこの・それを直前の一語に固定すること。例:前文全体や複数文を指す場合があります。入試では指示内容を二十字程度で書かせる問題が頻出します。
8. 言い換えを見抜く
「つまり」「言い換えれば」「要するに」は、前の難しい説明をまとめ直す標識です。後ろには要旨に近い表現が来るため、線を引いておく。前後で使われる語が異なっても、意味が同じかを比べる。誤概念は同じ語だけを根拠にすること。例:主張の言い換えが別段落に置かれます。入試の内容一致では同義表現の照合が正解条件になります。
9. 対比の軸を読む
「Aに対してB」「昔はA、今はB」の形では、何について比べているかが重要です。AとBの違いを同じ観点で並べると、筆者の評価が分かる。片方だけを答えず、設問が求める比較の両側を確認します。誤概念は二つの事柄を並べただけで対比とすること。例:何の点で違うのか(目的・方法・結果)を軸にします。入試では対比の観点を問う記述が出る。
10. 要旨は全体を覆う
要旨には、文章の中心話題と筆者の結論の両方が必要です。一つの具体例や一段落だけをまとめた文は要旨にならない。繰り返される語と最終段落を使い、細部を削って一文にします。誤概念は一部の段落や一例を要旨とすること。例:最終結論と繰り返される中心語を組み合わせる。入試では範囲が狭い部分正解が最も多い誤答です。
11. 記述は問いに合わせる
「なぜか」と問われたら理由を、「どういうことか」と問われたら内容を答える。本文から抜き出した言葉を、主語と述語がつながる文に直す。字数が短いときほど、設問にある語を利用して無駄を減らす。誤概念は本文の良い文をそのまま写せば点が入ること。例:理由を問われたら「〜から」の形で終える。入試では問いの型(なに・なぜ・どのように)への対応が採点されます。
12. 選択肢は条件まで照合する
選択肢は、本文の一部だけを正しくしていることがあります。主語、時、程度、因果の向きまで本文と照らし合わせる。「必ず」「すべて」のような強い表現は、本文に根拠があるか特に確認します。誤概念はキーワード一致で正解にすること。例:主語・時・否定・程度まで本文と照合します。入試では一部正しく一部誇張した選択肢が罠になります。
13. 段落どうしの論理を追う
説明文では、一段落目の問題提起に対し、次の段落が理由や解決策を与えるという関係があります。各段落の要約を並べ、「なぜこの段落がここにあるのか」を考える。段落間をつなぐ接続語が省略されている場合も、前後の内容から因果・対比・具体化のいずれかを補う。段落を独立した小話として読まず、筆者が結論へ進む道筋として読む。たとえば事例の後に結論が来るなら、その事例から何を一般化したのかを言葉にします。複数段落にまたがる設問では、この関係を使って根拠を探す。
14. 筆者の評価語を拾う
説明文には、事実を述べる文と筆者の評価を含む文が混在します。「重要だ」「問題である」「望ましい」のような語は、筆者の立場を示す重要な印です。評価語の前後には、その判断の理由や条件が置かれることが多い。評価語だけを抜き出すと強すぎる答えになるため、何について、どのような条件で評価したかまで確認します。反対の見方を紹介した後に評価語がある場合は、筆者自身の最終的な考えとして要旨に利用できます。記述では評価語を本文のまま使うと、筆者の論調を保ちやすい。
15. 話題→結論→根拠の3行テンプレ
説明文読解の最短手順は、①話題(何についてか)②結論・主張(筆者は何と言いたいか)③根拠(なぜそう言えるか)を各1行で抜き出すことです。段落役割問題では、各段落を序論・本論・結論のどれに属するかを判定します。接続語「しかし」の後は主張候補、「たとえば」は根拠の具体例です。誤概念は細部から読み始めて全体像を失うこと。例:各段落を話題・結論・根拠の三行に要約します。入試の説明文ではこの型が要旨・段落役割の両方に効く。
16. 見出し・小見出しを利用する
説明文に見出しがある場合、各節の話題と筆者のねらいを短時間でつかむ手掛かりになります。見出しは要約ではなく、読む順番の道しるべとして使う。設問が特定の節を指すときは、見出しの範囲を先に確認してから根拠を探す。見出しだけ読んで答えを決めるのは誤りで、必ず本文の文と照合します。複数の見出しがある文章では、全体の流れを見出し順にメモすると要旨が作りやすい。
17. 定義文と説明文を分ける
「〜とは」「〜を〜と呼ぶ」は用語の定義であり、筆者の主張そのものではない。定義の後に続く性質・例・注意点が、実際に問われることが多い。定義語を答えに使うときは、設問が用語説明を求めているのか、筆者の評価を求めているのかを区別します。定義を要旨の中心に据えると、筆者の結論を落としやすい。線を引くときは定義と評価を別色にすると整理しやすい。
18. 条件付きの主張を正確に取る
「〜の場合には」「〜でなければ」のような条件は、主張の適用範囲を限定します。条件を外して一般化すると、本文にない断定になります。選択肢や記述で極端な一般化があるときは、条件節の有無を本文と照合します。条件が複数あるときは、すべて満たす場合だけ結論が成り立つかを確認します。要旨では条件を短く残し、主張を広げ過ぎない。
19. 反論への応答を読む
説明文では、反対意見を紹介したうえで自分の考えを強める構成があります。「〜という見方もあります。しかし〜」の形では、しかし以降が筆者の立場です。反対意見だけを筆者の主張と取り違えない。反論への応答には、根拠の追加や条件の限定が含まれることが多い。記述では、筆者が何に反対し、何を支持するかを対で示すと得点しやすい。
受験で押さえる(この章)
漢字は読み↔字↔意味、同音は場面で切る。古典は接続→意味の順。暗記リストを眺めるだけで終わらせない。
必暗この章で回す漢字(読み)
左の字を見て右の読みを言う。一字ずつでなく、熟語の意味が通るかも点検する。
必暗この章で回す漢字(書き)
左の読みから右の漢字へ。音だけで当てず、意味もセットで言う。
覚え方同音異義の切り方
同じ読みでも漢字が違う。左の読みに対し、右で「どの漢字=どの意味か」を対比して決める。
戦い方国語の戦い方
漢字・語句を先に片付け、読解は設問の問い方を先に確定する。
- 手順漢字・語句を先に片付け、失点を止める
- 手順読解は設問の問い方(なぜ/どういうこと)を先に確定してから本文へ
- 手順記述は字数と「誰の/何について」を先に枠取りし、本文の語句で埋める
- 手順見直しは漢字の同音異義と、記述の条件漏れだけに絞る
- 手順毎日15分:学習中の単元の「受験で押さえる」を音読+書き
- 手順毎日30〜50分:弱点単元の⑤⑥または⑦を1セット
- 手順近い用語・近い年代・近い数値の取り違え
- 手順問題文の一部だけ合っていて結論がずれる選択肢
⑤ 公式・用語
| 名称 | 内容 | メモ |
|---|---|---|
| 段落構造 | 主張 → 理由 → 具体例 → 結論 | 例は主張を支える材料。 |
| 逆接 | A。しかしB。→ Bに重点 | Aも読み落とさない。 |
| 因果 | AだからB | A=理由、B=結果。 |
用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 主題 | 文章全体で扱う中心話題 |
| 主張 | 筆者が伝えたい判断 |
| 要旨 | 重要内容を短くまとめたもの |
| 具体例 | 主張を説明する個別の事例 |
| 接続語 | 文どうしの関係を示す語 |
| 指示語 | 前後の内容を指す語 |
| 因果 | 原因と結果の関係 |
| 対比 | 異なる内容を比べる関係 |
⑥ 手順
段落要約
- 中心語を丸で囲む
- 各段落を短く要約する
- 接続語で関係を結ぶ
記述解答
- 設問の問い方を確認する
- 根拠を抜き出す
- 結論と理由をつなぐ
章末の定着確認
- この章の重要語を三つ声に出す。
- 例題のうち一題を、答えを見ずに根拠から再現します。
- 誤答しやすいポイントを一つノートに残す。
⑦ 例題
途中の考え方を追うための例です。演習は問題編で行います。
「これは大切だ」の「これ」を答えなさい。直前:地域の人とあいさつを交わす習慣を続けること。
考え方
指示語は「習慣」だけでなく、続けるという内容まで受ける。「〜こと」の形で前文の内容を保って答える。①まず設問が何を問うかと条件語に印を付けます。②次に文・本文・語形のどこが答えの根拠かを対応させ、途中の判断を一つずつ説明します。③最後に主語、時制、条件、因果関係が問題文と矛盾しないかを検算し、似た選択肢を除いて答えを確定します。
答え:地域の人とあいさつを交わす習慣を続けること
「雨だった。しかし、試合は行われた。」で重点となる内容は。
考え方
しかしは逆接です。雨という予想に反して実施された後半が、筆者が伝える中心情報になります。①まず設問が何を問うかと条件語に印を付けます。②次に文・本文・語形のどこが答えの根拠かを対応させ、途中の判断を一つずつ説明します。③最後に主語、時制、条件、因果関係が問題文と矛盾しないかを検算し、似た選択肢を除いて答えを確定します。
答え:試合は行われたこと
「本は知識を与える。たとえば、歴史書から過去を学べる。」の主張は。
考え方
たとえばの後ろは具体例です。歴史書の事例を一般化し、直前の主張に戻す。①まず設問が何を問うかと条件語に印を付けます。②次に文・本文・語形のどこが答えの根拠かを対応させ、途中の判断を一つずつ説明します。③最後に主語、時制、条件、因果関係が問題文と矛盾しないかを検算し、似た選択肢を除いて答えを確定します。
答え:本は知識を与えること
「早寝は集中力を高める。だから、試験前ほど早く寝る。」の理由と結論は。
考え方
だからの前後を分ける。前が行動を支える理由、後が筆者の選択です。①まず設問が何を問うかと条件語に印を付けます。②次に文・本文・語形のどこが答えの根拠かを対応させ、途中の判断を一つずつ説明します。③最後に主語、時制、条件、因果関係が問題文と矛盾しないかを検算し、似た選択肢を除いて答えを確定します。
答え:理由:早寝は集中力を高める。結論:試験前ほど早く寝る。
筆者の主張を答えなさい。「便利な道具ほど、目的を考えて使わなければならない。任せきりでは判断力が弱くなります。」
考え方
「〜なければならない」が結論です。二文目は理由なので、主張を支える形にまとめる。①まず設問が何を問うかと条件語に印を付けます。②次に文・本文・語形のどこが答えの根拠かを対応させ、途中の判断を一つずつ説明します。③最後に主語、時制、条件、因果関係が問題文と矛盾しないかを検算し、似た選択肢を除いて答えを確定します。
答え:便利な道具でも任せきりにせず、目的を考えて使うべきだ。
次の要旨として最も適切な文を書きなさい。「地域の公園は、遊ぶ場所であるだけでなく、世代の異なる人が自然に話す場にもなります。だから、利用者が自分たちで手入れに参加することが大切だ。」
考え方
前文の「遊ぶ場所」と「交流の場」を一つの中心内容にまとめる。最後の「だから」以下が筆者の結論であり、手入れへの参加を要旨に入れます。個別の活動名を足さず、文章全体を覆う表現にします。①まず設問が何を問うかと条件語に印を付けます。②次に文・本文・語形のどこが答えの根拠かを対応させ、途中の判断を一つずつ説明します。③最後に主語、時制、条件、因果関係が問題文と矛盾しないかを検算し、似た選択肢を除いて答えを確定します。
答え:地域の公園を交流の場として保つため、利用者も手入れに参加することが大切だ。
⑧ 入試での使われ方
- 接続語を丸で囲む
- 段落ごとに見出しを付ける
- 根拠文に線を引く
- 記述は問い方に合わせる
- 選択肢を条件まで比べる
- 設問の問い方(なぜ/どういうこと/効果)を先に確定してから本文へ戻る。
- ⑤基本:暗記パック漢字・語句 ⑥標準:リセマムB読解+言語事項 ⑦応用:本アプリ記述(C帯の字数・根拠密度)
- 本アプリ /exam-ready の漢字・慣用・四字を先に固めて失点を減らす
⑨ よくある誤り
- 具体例を主張とする
- 逆接の前だけを読む
- 指示語を一語で答える
- 本文外の常識を足す
- 理由と結論を逆にする
- 部分一致で選ぶ
- 字数を守らない
- 段落末を読まない
⑩ 確認
次ができたら問題編へ進んでください。
- 段落の役割を言える
- 主張と例を分けた
- 接続語を確認した
- 指示語の範囲を決めた
- 因果を矢印にした
- 対比の両側を読んだ
- 要旨が全体を覆う
- 根拠を示した
- 字数を守った
- 本文外を加えていない
- 追加ポイントの内容を自分の言葉で説明できる