社会 第11章
経済・労働・財政
要点編
【未履修・先取り/完成/最低35問】市場・財政・労働。
① この章のねらい
市場における需要と供給、日本銀行の金融政策、政府の財政(歳入・歳出)を学びます。景気・雇用・消費・投資の連鎖と労働・社会保障を結び、独占や物価変動を資料から読み、同一資料の⑦で分類→数値読取→40字記述へ進めます。
- 需要と供給で価格の動きを説明できる
- 日銀の役割を答えられる
- 財政で歳入と歳出を区別できる
- 景気・雇用・物価の関係を因果で書ける
- 同一資料で読取→計算→記述へ進める
② 図と説明
下の図を順に見てください。各図の下に、その図の読み方を書いてあります。
図 1. 需要と供給

需要増→価格が上がりやすい。 図では、矢印・色分け・凡例を順に確認し、本文の用語と対応させて読みます。
価格は需要と供給で動きます
需要が増えると価格は上がる圧力がかかり、供給が増えると価格は下がる圧力がかかります。資料では「どちらが変化したか」を先に決め、矢印の向き(需要↑→価格↑)を確認してから答えます。独占は競争が弱まり、価格や品質が消費者に不利になりやすい状態です。
図 2. 経済資料の読み方

単位・前年比・実質か名目か。 図では、矢印・色分け・凡例を順に確認し、本文の用語と対応させて読みます。
金融と財政を分けて役割を答えます
日本銀行は通貨供給と金融政策(金利操作など)を担い、物価・金融の安定を目指します。政府の予算は財政で、歳入(税など)と歳出(社会保障・公共事業など)を分けます。日銀と政府の役割を混同すると選択肢で失点するので、キーワード(金利・通貨/予算・税)で判別します。
③ 続きの説明
3. 景気は雇用・消費・投資で見ます
景気が良いときは企業の設備投資や雇用が増え、所得が増えると消費も拡大しやすくなります。不況時はその逆の流れが起きます。グラフではGDPや失業率の増減を背景(需要の強弱・金利・物価)と結び、統計だけを答えず40字で因果を書きます。失業率の上昇は不況の代表的な指標です。
4. 労働と社会保障は生活の安定と結びます
労働基準法は労働条件の最低基準を定め、社会保障(年金・医療・生活保護など)は生活のリスクに備える制度です。景気変動で失業が増えると社会保障の需要も変わるため、経済問題とセットで読みます。記述では「誰を守る制度か」を明示し、財政の歳出項目と対応させます。
5. 物価と賃金の動きを資料で読みます
物価が上昇すると同じお金で買える量が減り、実質的な生活コストが上がります。賃金上昇が物価上昇に追いつかないと生活は苦しくなります。資料のインフレ率や消費者物価指数は、単位と対象年を確認してから増減を読み、原因(需要過多・原油高など)を40字で添えます。
6. ⑦は分類から数値読取・記述へ進めます
同一資料では(1)で需要・供給・金融・財政のどれかを判定し、(2)で表やグラフから数値・割合を読み、(3)で40字の因果記述へ進む型が多いです。歳入と歳出、割合と実額を混同しないことが得点の分かれ目です。最初の小問の数値をメモして(2)(3)でも使い回します。
受験で押さえる(この章)
年号語呂は「音↔桁」の対応を指差し確認してから、因果を一文添える。用語は対比で切る。
必暗公民用語は対比で覚える
定義を一文で言えること。似た語(保障/保証、衆議院/参議院)は違いを先に言う。
- 国民主権主権が国民にあること(憲法の基本原理)
- 基本的人権人が生まれながら持つ権利(憲法の基本原理)
- 平和主義戦争を放棄し平和を求める(憲法の基本原理)
- 法の下の平等不合理な差別を禁止(人権)
- 思想・良心の自由内心の自由(精神的自由)
- 信教の自由宗教を信じる/信じない自由(精神的自由)
- 表現の自由意見を発表する自由(精神的自由)
- 学問の自由研究・発表の自由(精神的自由)
- 身体の自由不当に拘束されない(人身の自由)
- 奴隷的拘束の禁止強制労働などを禁じる(人身の自由)
- 居住・移転・職業選択の自由経済活動の自由(経済的自由)
- 財産権財産を持つ権利(経済的自由)
戦い方社会の戦い方(この章でも同じ)
資料はリード文→注→表題→単位→極端値。記述は「資料のどこ+因果」。
- 手順資料問題はリード文→注→表題→単位→極端な値の順。知識だけで先に答えない
- 手順並べ替えは年号暗記大会にせず、因果(改革→制度→遷都など)で確定
- 手順公民は用語定義で確実に得点。曖昧なら対義語・対比で切る
- 手順記述は「資料のどこ+因果」を40〜80字。知識だけの作文にしない
- 手順毎日15分:学習中の単元の「受験で押さえる」を音読+書き
- 手順毎日30〜50分:弱点単元の⑤⑥または⑦を1セット
- 手順近い用語・近い年代・近い数値の取り違え
- 手順問題文の一部だけ合っていて結論がずれる選択肢
⑤ 公式・用語
| 名称 | 内容 | メモ |
|---|---|---|
| 価格の決まり方 | 需要↑→価格↑の圧力/供給↑→価格↓の圧力 | — |
| 財政の読み方 | 歳入(税など)/歳出(社会保障など) | — |
用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 需要と供給 | 買いたい量と売りたい量の関係。市場価格を動かす |
| 日本銀行 | 通貨供給と金融政策を担う日本の中央銀行 |
| 金融政策 | 金利や通貨供給量を調整して物価・景気を安定させる政策 |
| 財政 | 政府の歳入・歳出の仕組み |
| 歳入 | 税など政府が得るお金 |
| 歳出 | 社会保障・公共事業など政府が使うお金 |
| 独占 | 競争が弱まり、価格や品質が消費者に不利になりやすい状態 |
⑥ 手順
経済問題の手順
- 価格か金融か財政かを決める
- 需要・供給のどちらが変化したかを言う
- 日銀と政府の役割を取り違えない
- 予算は歳入と歳出・割合と実額を分ける
⑦ 例題
途中の考え方を追うための例です。演習は問題編で行います。
市場で価格が決まる基本的な仕組みはどれか。
考え方
市場価格の基本です。 まず問題文で何を問うかを確かめ、資料がある場合は題名・年・単位・凡例を確認します。次に、本文・地図・年表・表から答えの直接の根拠を一つ選びます。最後に、原因→出来事→結果のつながりで説明できるか、似た用語・時代・機関と取り違えていないかを検算します。
答え:需要と供給の関係
日本銀行の主な役割として適切なものはどれか。
考え方
中央銀行の役割です。 まず問題文で何を問うかを確かめ、資料がある場合は題名・年・単位・凡例を確認します。次に、本文・地図・年表・表から答えの直接の根拠を一つ選びます。最後に、原因→出来事→結果のつながりで説明できるか、似た用語・時代・機関と取り違えていないかを検算します。
答え:通貨供給と金融政策
独占が問題になりうる理由を40字で。
考え方
競争の弱さが要点です。 まず問題文で何を問うかを確かめ、資料がある場合は題名・年・単位・凡例を確認します。次に、本文・地図・年表・表から答えの直接の根拠を一つ選びます。最後に、原因→出来事→結果のつながりで説明できるか、似た用語・時代・機関と取り違えていないかを検算します。
答え:競争が弱まり価格や品質が消費者に不利になりやすいから。
⑧ 入試での使われ方
- 需要と供給の変化を先に言う
- 金融と財政を混同しない
- ⑤基本:用語+順序 ⑥標準:資料1枚+短記述 ⑦応用:複数資料梯子+40〜80字(府公立の記述説明密度を下限)
- 赤本/過去問で形式と時間配分を体感(JS88に社会なし)
- リセマム大阪社会(共通1種)で資料読取→比較→記述の段に慣れる
⑨ よくある誤り
- 価格決定をクジ引きと答える
- 日銀を小売店経営と答える
⑩ 確認
次ができたら問題編へ進んでください。
- 需要と供給で価格を説明できる
- 日銀の役割を答えられる