社会 第9章
現代社会と人権
要点編
【未履修・先取り/完成/最低35問】現代社会・人権(中3中心)。
① この章のねらい
基本的人権の性質(不可侵・固有・普遍)と自由権・社会権・平等権の区別を学びます。SNSの誹謗中傷や差別を事例に、自由と他者の権利の調整(公共の福祉)まで説明し、同一資料の⑦で権利の種類判定→事例適用→40字記述へ進めます。
- 基本的人権の性質を説明できる
- 自由権・社会権・平等権を区別できる
- 公共の福祉による調整を事例で言える
- SNS・差別問題を権利の衝突として説明できる
- 同一資料で読取→分類→記述へ進める
② 図と説明
下の図を順に見てください。各図の下に、その図の読み方を書いてあります。
図 1. 基本的人権

自由・平等・社会・参政・請求。憲法が保障。 図では、矢印・色分け・凡例を順に確認し、本文の用語と対応させて読みます。
人権は侵せない永久の権利です
基本的人権は、国家が都合で奪える特権ではありません。不可侵とは不当に侵害されないこと、固有とは生まれながらに持つこと、普遍とは人種・国籍に関係なくすべての人に及ぶことを意味します。入試では三つの性質を区別し、どれが問われているかを先に決めてから40字で答えます。
図 2. 権利と参加

普通・平等・秘密・直接。 図では、矢印・色分け・凡例を順に確認し、本文の用語と対応させて読みます。
権利の種類を分けてから例を当てます
教育を受ける権利は社会権、法の下の平等は平等権、思想・信教の自由や表現の自由は自由権です。種類を先に決めないと選択肢で取り違えます。資料に事例が書かれているときは、まず「どの権利の話か」を一行で確定し、そのうえで憲法上の根拠を添えます。生存権も社会権の代表例として覚えます。
③ 続きの説明
3. 自由でも他者の権利は傷つけません
SNSの誹謗中傷は名誉やプライバシーを傷つけ、拡散のしやすさから被害が広がります。表現の自由も無制限ではなく、公共の福祉のもとで他者の権利と両立させる必要があります。記述では「どちらの権利が衝突し、なぜ調整が必要か」を40字で結び、一方的な自由の主張だけを書かないようにします。
4. 差別禁止と平等権を事例で結びます
人種・性別・障害などを理由とした不当な差別は、法の下の平等や人格の尊重に反します。学校・職場・公共サービスでの差別事例は、平等権の問題として読みます。入試では「差別の理由」と「侵害される権利」をセットで書き、公共の福祉が差別を正当化する根拠にはならない点も確認します。
5. 公共の福祉は調整の考え方です
互いの権利が衝突するとき、公共の福祉という考え方のもとで、全体としてより良いバランスを求めます。これは国家が自由に人権を制限できるという意味ではありません。記述では調整の目的(権利の両立)と、不当な制限との違いを示し、具体例(SNS規制・集会の制限など)に戻って根拠を書きます。
6. ⑦は権利判定から記述へ梯子で解きます
同一資料では(1)で権利の種類や性質を読み取り、(2)で事例に当てはめ、(3)で40字の因果記述へ進む型が多いです。(1)の分類が曖昧だと(3)で止まるため、資料の語句をそのまま根拠に使い、推測で原因を書かないことが得点のコツです。権利の三分類表を作ると安定します。
受験で押さえる(この章)
年号語呂は「音↔桁」の対応を指差し確認してから、因果を一文添える。用語は対比で切る。
必暗公民用語は対比で覚える
定義を一文で言えること。似た語(保障/保証、衆議院/参議院)は違いを先に言う。
- 国民主権主権が国民にあること(憲法の基本原理)
- 基本的人権人が生まれながら持つ権利(憲法の基本原理)
- 平和主義戦争を放棄し平和を求める(憲法の基本原理)
- 法の下の平等不合理な差別を禁止(人権)
- 思想・良心の自由内心の自由(精神的自由)
- 信教の自由宗教を信じる/信じない自由(精神的自由)
- 表現の自由意見を発表する自由(精神的自由)
- 学問の自由研究・発表の自由(精神的自由)
- 身体の自由不当に拘束されない(人身の自由)
- 奴隷的拘束の禁止強制労働などを禁じる(人身の自由)
- 居住・移転・職業選択の自由経済活動の自由(経済的自由)
- 財産権財産を持つ権利(経済的自由)
戦い方社会の戦い方(この章でも同じ)
資料はリード文→注→表題→単位→極端値。記述は「資料のどこ+因果」。
- 手順資料問題はリード文→注→表題→単位→極端な値の順。知識だけで先に答えない
- 手順並べ替えは年号暗記大会にせず、因果(改革→制度→遷都など)で確定
- 手順公民は用語定義で確実に得点。曖昧なら対義語・対比で切る
- 手順記述は「資料のどこ+因果」を40〜80字。知識だけの作文にしない
- 手順毎日15分:学習中の単元の「受験で押さえる」を音読+書き
- 手順毎日30〜50分:弱点単元の⑤⑥または⑦を1セット
- 手順近い用語・近い年代・近い数値の取り違え
- 手順問題文の一部だけ合っていて結論がずれる選択肢
⑤ 公式・用語
| 名称 | 内容 | メモ |
|---|---|---|
| 人権の原則 | 不可侵・固有・普遍 | — |
| 権利の三分類 | 自由権/社会権/平等権 | — |
用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 基本的人権 | 人が生まれながらに持つ、侵すことのできない永久の権利 |
| 不可侵 | 基本的人権が不当に侵害されない性質 |
| 社会権 | 人間らしい生活を営むための権利。教育を受ける権利など |
| 自由権 | 思想・信教・表現など、国家の不当な介入を受けない権利 |
| 法の下の平等 | 人種・性別などによる不当な差別を禁じ、平等に扱うこと |
| 公共の福祉 | 互いの権利を両立させるための調整の考え方 |
| プライバシー | 個人の私生活や個人情報を不当に公開されない権利 |
⑥ 手順
人権問題の手順
- どの権利の種類かを決める
- 誰の権利が問題になっているかを確認する
- 自由と他者の権利の衝突なら調整の理由を書く
- 事例(SNS・差別など)に戻って根拠を示す
⑦ 例題
途中の考え方を追うための例です。演習は問題編で行います。
基本的人権の性質として正しいものはどれか。
考え方
憲法が定める人権の基本性質です。 まず問題文で何を問うかを確かめ、資料がある場合は題名・年・単位・凡例を確認します。次に、本文・地図・年表・表から答えの直接の根拠を一つ選びます。最後に、原因→出来事→結果のつながりで説明できるか、似た用語・時代・機関と取り違えていないかを検算します。
答え:侵すことのできない永久の権利
社会権の例として適切なものはどれか。
考え方
社会権の代表例です。 まず問題文で何を問うかを確かめ、資料がある場合は題名・年・単位・凡例を確認します。次に、本文・地図・年表・表から答えの直接の根拠を一つ選びます。最後に、原因→出来事→結果のつながりで説明できるか、似た用語・時代・機関と取り違えていないかを検算します。
答え:教育を受ける権利
SNSでの誹謗中傷が問題になる理由を40字で。
考え方
他者の権利侵害と拡散のしやすさが要点です。 まず問題文で何を問うかを確かめ、資料がある場合は題名・年・単位・凡例を確認します。次に、本文・地図・年表・表から答えの直接の根拠を一つ選びます。最後に、原因→出来事→結果のつながりで説明できるか、似た用語・時代・機関と取り違えていないかを検算します。
答え:人格や名誉、プライバシーを傷つけ、被害が広がりやすいから。
⑧ 入試での使われ方
- 権利の種類を先に決める
- 自由と公共の福祉を両立で考える
- ⑤基本:用語+順序 ⑥標準:資料1枚+短記述 ⑦応用:複数資料梯子+40〜80字(府公立の記述説明密度を下限)
- 赤本/過去問で形式と時間配分を体感(JS88に社会なし)
- リセマム大阪社会(共通1種)で資料読取→比較→記述の段に慣れる
⑨ よくある誤り
- 人権を国家がいつでも剥奪できると答える
- 社会権と自由権を取り違える
⑩ 確認
次ができたら問題編へ進んでください。
- 人権の性質を説明できる
- 社会権の例を挙げられる