要点編

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理科 第5章

イオン

要点編

電離・電気分解・中和計算

要点編 — 参考書として先に読む。理解チェックができたら問題編へ。

ここは参考書パート(要点編)です。市販参考書と同じく「読んで理解 → 例題で流れを追う → チェック」の順で進めてください。理解チェックができたら問題編へ。

① この章のねらい

イオンは、原子が電子を失ったり受け取ったりして電気を帯びた粒子である。水溶液中ではイオンが移動し、電気を通す。電池では化学変化で電気を取り出し、電気分解では電気エネルギーで化学変化を起こす。電子、電流、イオンの向きを混同しないことが最重要である。

  • 陽イオン・陰イオンを区別できる
  • 電解質を説明できる
  • 原子とイオンの電子数の変化を言える
  • 電池の電子の流れを説明できる
  • 電流の向きを電子と区別できる
  • 電気分解でイオンの移動先を判断できる

② 重要ポイント(本文)

1.イオンのでき方

原子が電子を失うと正の電気を帯びた陽イオンになる。原子が電子を受け取ると負の電気を帯びた陰イオンになる。陽子の数が変わるのではなく電子数が変わる。

2.イオンの表し方

Na⁺の右上の+は正の電気を一つ帯びることを示す。Cl⁻の−は負の電気を一つ帯びることを示す。数字と符号の位置を正確に書く。

3.電解質

水に溶けて陽イオンと陰イオンに分かれ、電気を通す物質を電解質という。塩酸や食塩水は電解質である。砂糖水や純粋な水は中学校の扱いでは電気を通しにくい。

4.電離

電解質が水に溶けてイオンに分かれる現象を電離という。塩化ナトリウムはNa⁺とCl⁻に分かれる。水溶液全体は正負の電気量がつり合っている。

5.酸・アルカリ

酸性の水溶液には水素イオンH⁺が含まれる。アルカリ性の水溶液には水酸化物イオンOH⁻が含まれる。中和ではH⁺とOH⁻が結び付き水になる。

6.電池のしくみ

電池では電子を失いやすい金属で酸化が起こる。外部回路では電子が失った側から受け取る側へ流れる。この化学変化を利用して電流を取り出す。

7.電流と電子

電流の向きは正極から負極と約束されている。電子の流れは負極から正極であり電流と逆である。図では矢印に何の流れかを明記する。

8.電気分解

電気分解は外部電源を用いて物質を分解する反応である。陽イオンは負の陰極へ、陰イオンは正の陽極へ移動する。電極で放電して生成物ができる。

9.電極の名称

電気分解で電源の負極につながる電極を陰極という。電源の正極につながる電極を陽極という。電池の正負と混同しないよう、装置全体を確認する。

10.塩酸の電気分解

塩酸中ではH⁺とCl⁻が移動する。陰極では水素、陽極では塩素が発生する。気体の性質で生成物を確認できる。

11.金属のイオン化傾向

金属には電子を失って陽イオンになりやすさの違いがある。異なる金属を電解質水溶液に入れた電池では、電子を失いやすい金属で変化が起こる。金属板の質量変化や溶液の色の変化は反応を考える手掛かりになる。反応式では電子の移動とイオンの変化を対応させる。

12.酸性・中性・アルカリ性

水溶液の性質は指示薬の色やpHで調べられる。BTB溶液は酸性で黄、中性で緑、アルカリ性で青になる。pHは小さいほど酸性が強く、大きいほどアルカリ性が強い。色だけを暗記せず、水溶液中のイオンと結び付ける。

13.中和と塩

酸とアルカリを混ぜると、水素イオンと水酸化物イオンが結び付いて水ができる。残ったイオンの組合せから塩ができる。中和点では酸とアルカリの量が反応式の比に対応している。滴定の色の変化は終点を知る目安であり、反応のしくみ自体ではない。

14.電池の利用

化学電池は化学エネルギーを電気エネルギーへ変換する装置である。充電池では外部から電気を与えることで化学変化を逆向きに進められるものがある。資源の採掘、廃棄、リサイクルも電池利用の課題である。便利さだけでなく変換効率と環境への影響を考える。

③ 公式・用語

名称内容メモ
陽イオンの生成原子 − 電子 → 陽イオン
陰イオンの生成原子 + 電子 → 陰イオン
塩化ナトリウムの電離NaCl → Na⁺ + Cl⁻
中和H⁺ + OH⁻ → H₂O
電流の向き正極 → 負極電子の流れと逆

用語集

用語意味
陽イオン電子を失って正に帯電したイオン。
陰イオン電子を受け取って負に帯電したイオン。
電解質水溶液が電気を通す物質。
電離電解質がイオンに分かれる現象。
酸化電子を失う変化。
還元電子を受け取る変化。
陽極電気分解で電源の正極側の電極。
陰極電気分解で電源の負極側の電極。
電解質水に溶けてイオンになり電気を通す物質。
中和酸とアルカリが反応して水と塩ができる変化。

④ 解法・読み方の手順

イオン問題の手順

  1. 粒子の電荷を右上に書く。
  2. 正負の引き合いから移動先を決める。
  3. 電子の流れと電流の向きを別に記す。

電気分解の手順

  1. 水溶液中のイオンを列挙する。
  2. 陽イオンは陰極、陰イオンは陽極へ矢印を引く。
  3. 電極でできる物質を性質で確かめる。

記述問題の手順

  1. 問われた語を丸で囲む。
  2. 観察事実、原理、結論の順に根拠をつなぐ。
  3. 単位・向き・条件を見直してから書く。

⑤ 図解

原子 Na ─電子を1個失う→ Na⁺
原子 Cl ─電子を1個受け取る→ Cl⁻
電池 Zn ─ e⁻ → Cu
電子:負極→正極 電流:正極→負極

⑥ 例題(読んで流れを追う)

ここは「解く」より「途中式と根拠を追う」ための例です。演習は問題編で。

例題 1基本

Na原子が電子を1個失うと何イオンになるか。

考え方・途中式

電子を失うと正に帯電する。Naは電子を1個失いNa⁺になる。

答え:Na⁺(ナトリウムイオン)

例題 2基本

Cl原子が電子を1個受け取ると何イオンになるか。

考え方・途中式

電子を受け取ると負に帯電する。ClはCl⁻になる。

答え:Cl⁻(塩化物イオン)

例題 3標準

NaClが水に溶けて電離するとできるイオンを答えなさい。

考え方・途中式

NaCl → Na⁺ + Cl⁻。正負の電気量は全体でつり合う。

答え:Na⁺とCl⁻

例題 4標準

電気分解でNa⁺が移動する電極を答えなさい。

考え方・途中式

Na⁺は陽イオンで正。負の陰極に引かれる。

答え:陰極

例題 5入試

電池で電子が負極から正極へ流れるとき、電流の向きは。

考え方・途中式

電流の向きは電子の流れと逆に約束されている。

答え:正極から負極

例題 6入試

この章の実験・計算で、答えだけでなく途中の根拠を書く必要がある理由を答えなさい。

考え方・途中式

条件を確認→使う法則を式または文で書く→数値を代入→単位付きの結論、の順に残す。

答え:用いた法則、条件、単位が正しいことを示し、計算や考察を検証できるようにするため。

⑦ 入試・テストでの使い方

外部過去問(JS88・リセマム等)の使い分けは過去問・外部資料ガイドを参照。

  • イオン式は電荷の符号まで正確に書く。
  • 電池では電子を失う金属を確認する。
  • 電気分解では電源の正負を先に図へ書く。
  • 気体の確認は性質を使って行う。
  • 中和は指示薬の色だけでなくイオンで説明する。
  • 複数の資料は、同じ条件で比較できるかを確認してから根拠にする。
  • 記述では結論だけでなく、現象を説明する語句を一つ以上入れる。
  • science005net「イオン・電気分解」と本アプリ⑤⑦を同期。
  • ⑤基本:005net基本問題 ⑥標準:005net標準 ⑦応用:JS88+本アプリ
  • 理科の学習(005net)で基本→標準を章ごとに

⑧ よくあるミス

  • Na⁺を陰イオンとする。
  • イオンの電荷を陽子数の増減と説明する。
  • 砂糖水を電解質とする。
  • 電流と電子の向きを同じにする。
  • 陽イオンを陽極へ動かす。
  • 陰イオンを陰極へ動かす。
  • 電池と電気分解の電極名を混同する。
  • 中和で塩だけができるとする。
  • 実験で変えた条件と、そろえた条件を混同する。
  • 数値の計算結果に単位や有効な条件を書かない。

⑨ 理解チェック

口頭でもノートでもよいので、全部言えたら問題編へ。

  • 電子の増減でイオンを説明できる
  • イオン式を正しく書ける
  • 電解質を判定できる
  • 電離を説明できる
  • H⁺とOH⁻を言える
  • 中和の式を言える
  • 電池の電子の向きを言える
  • 電流の向きを言える
  • 陽極・陰極を区別できる
  • 電気分解の移動先を言える
  • 実験の対照を説明できる
  • 計算の式・代入・単位を順に書ける

⑩ 問題編へ

「イオン」の要点を押さえたら、次は手を動かして定着させましょう。

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解いたあとは解説編で途中式を確認し、間違えた問題は白紙で再挑戦。

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